モンキチョウの理解できない行動

愛西市の福原輪中の道路端で面白い場面を見かけました。

タンポポの花の吸蜜をするメスのモンキチョウのすぐ上をオスのモンキチョウが飛び回っています。

飛び回っている時間がとても長く3分以上にも及んでいました。

吸蜜中のメスは体を曲げたりしながら、感情移入すると、迷惑そうに見えました。

それでもオスはメスの上を飛び回っています。

そのうちオスがメスの傍に降りて、交尾体勢に入るのではないかと思ったのですが、オスは一向に降りません。

メスは相変わらずそのままです。

場面がどう展開するのかと思って動画を撮りました。

しばらくその場面が続きましたが、別のモンキチョウがやってきて3匹が絡み合いました。

メスが急に飛び立つと、2匹のオスも追いかけるように飛び立ちました。

上空高く上がっていきました。

そこでも空中で絡み合っていましたが、その後は分かれて行ってしまいました。

初めのオスは交尾までには至りませんでした。

この場面をどう理解したら良いのでしょう。

動物の行動を見ていると、動物たちは個体維持よりは種族維持にその命を懸けているようです。

命を繫ぐことが最大の役割であり、存在の意味だと思うのです。

ティンバーゲン、フィリッシュやローレンツなどの動物行動学では、形態的な違いばかりでなく、例えば交尾までの行動系列が種によって違うと言われています。

そのために似ているモンシロチョウとモンキチョウ間の交雑が起こらないと言われています。

確かにモンシロチョウとモンキチョウの雑種は見たことがありません。

雑種ができても生存できない可能性から見かけていないこともあるかも知れませんが。

この場面を行動系列の連鎖の途中の一場面だとすると、上を飛んでいるオスの行動を刺激として、メスが次に反応するはずですが、その反応をしないままだったのではないかと思われます。

交尾を受け入れるのであれば、翅を閉じて静かにするとか、交尾を拒否するなら、モンシロチョウのように尻尾を持ち上げ拒否行動を示すかなどの反応をする必要があるのではないかと思われます。

そうすれば、オスは飛ぶのをやめてメスの傍に降りるか、飛び去るかの行動が取れるはずです。

タンポポの花の吸蜜中のメスの上で、オスが飛び続けているのを見て永遠に飛び続けるのではないかと考えてしまいました。

知人はオスとメスが遊んでいただけではないかと話していましたが、そんなファンタジックな場面だったのかとも思いました。

本当かな!

(シロチョウ科 モンキチョウ属)

カモ撮りこうちゃん