ツマキチョウの吸蜜植物とメスの不思議な行動 その2

永和の雑木林で4月8日にツマキチョウを見かけてから、14日で1週間が経ちました。

雑木林脇のナノハナは満開になり、モンシロチョウ、ツマグロヒョウモンとアオスジアゲハも見かけています。

1週間経った14日現在、ツマキチョウのオス1匹だけしか見かけなくなりました。

昨年はもう少し長く見かけていたのですが、今年はもう見られなくなりそうです。

植物ではカタクリ、フデリンドウ、ショウジョウバカマなどは春の短期間だけ花を咲かせた後、翌春まで休眠します。

それらを「春の妖精(スプリング・エフェメラル)」と呼んでいます。

チョウの仲間ではギフチョウを「春の女神」と呼んでいます。

春の短い季節だけ飛び交うツマキチョウも同じ「春の女神」のように思えてなりません。

この1週間ツマキチョウを追いかけていて、どんな花で吸蜜するか観察していると、当たり前ですがこの時期に咲いている花の吸蜜をしていました。

カラスノエンドウ、ホトケノザ、ナズナ、タンポポ、ヘビイチゴとナノハナです。

他に咲いているヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ、イヌガラシ、ハコベなどは吸蜜していませんでした。

花が小さすぎるのか、好みがあるのかも知れません。

昆虫を見ていると、次の世代を繋ぐことが種の使命だと痛感します。

種族維持です。

そのため交尾相手を探すために多大な労力をかけます。

ツマキチョウのオスはナノハナが咲く雑木林脇をひっきりなしに行ったり来たりします。

そして時々花にとまって吸蜜します。

個体維持ですね。

そんな行動をするのはオスだけかと思っていたら、メスもやっぱり行ったり来たりしていました。

オスもメスも交尾相手を必死で探しているようでした。

「ツマキチョウ その1」でオスとメスの交尾態を紹介しましたが、メスは交尾後、どこで産卵するのか疑問に思っていたのです。

モンシロチョウのように、キャベツ畑を飛び回って卵をうみつけるのでしょうか。

何度もメスがナノハナにとまって吸蜜している時に、尻尾を折り曲げているように見えるのです。

またメスはナノハナが大きく開いているものよりは、蕾の花にとまっていることも多いようでした。

吸蜜しているとばかり思っていたのですが、ナノハナの花茎に産卵しているのではないかと思うようになりました。

そうであれば蕾の方が花になったものよりは長生きするはずです。

そうだとしたらとても合理的な産卵方法だと思ってしまいました。

メスがナノハナにとまる時、吸蜜と産卵を同時に行っている可能性があるのです。

これはツマキチョウのメスを観察していて感じた疑問です。

来年それを確かめられた良いなと考えています。

ほんとかなー。

(シロチョウ科 ツマキチョウ属)