渡り鳥はなぜ渡って来るのかの不思議
①冬鳥
②夏鳥
秋になると日本で越冬するためにやって来る冬鳥がいます。
逆に春になるとやって来る夏鳥もいます。
蟹江周辺の冬鳥にはカモの仲間のマガモ、コガモ、ヨシガモ、オカヨシガモ、ミコアイサ、大きい野鳥のオオタカ、チュウヒ、コチョウゲンボウが、小さい野鳥のツグミ、ジョウビタキ、オオジュリン、アオジ、カシラダカなどが見られます。
夏鳥ではツバメ、オオヨシキリ、チュウサギ、アマサギなどが見られます。
知人からなぜわざわざ日本にやってくるのか、どんなルートでやってくるのか分からない、その理由も理解できないと言われました。
私自身も分かっていませんが、自分なりに納得させている説明はいくつかあります。
冬鳥に限ってみると、地球が23.4度傾いているので冬期間は66.6度以北は真っ暗になります。
カモの故郷(子育てする場所)の多くはシベリア大陸でその時期太陽が出ないのです。
そこで仕方なく日本に越冬に来るのではないかと思われます。
他に寒さが厳しく餌が採れないこともその原因かもしれません。
コガモやツグミは10月半ばに見かけるようになり、翌年5月の連休頃まで見かけています。
故郷に帰って産卵し育雛してヒナが飛べるようになると、すぐ日本にやって来る感じです。
そんな何千キロも旅をしないで日本に残って子育てすれば良さそうなのに、なぜそんな無駄をするのか理解できません。
春になって北帰行を始める冬鳥が、なぜ帰る時期が分かるのか不思議です。
恐らく太陽高度の変化に敏感に反応する仕組みを持っているのではないかと思われます。
太陽高度が高くなると光量が多くなります。
すると体内の帰巣本能に関わるホルモンの分泌が多くなり、鳥の脳に北帰行したい衝動が高まってくるのではないかと思われます。
これは長日、短日植物が花芽形成が日照時間との関係で起こることからの類推です。
日照時間が短くなると植物の先端部の花芽形成ホルモンの化学変化量が多くなって、花芽形成をし始めると言われています。
これはカモの生殖羽の変化でも同じように考えられます。
北帰行や南下行のルートはどのようなものかという問題があります。
多くの鳥は群れで行動し島伝いに渡ってきて、日本に来ると分散していくようです。
各群れの越冬場所は前年度と同じだと思われます。
その証拠はカモの前年度に見かけた雑種が、翌年にも同じ場所で見かけたのでそう考えています。
日本の地図全体を分かっていて目指して来るというよりは、親たちと来たルート(チェックポイントを確認しながら)の学習によるものだと思われます。
本当にユーラシア大陸やカムチャッカ半島から来ているかは、GPSで追跡できると思いますが、費用の点で現時点では難しいようです。
これまでは標識による確認を行っています。
オオジュリンはカムチャッカ半島から来ていることが標識で確認されています。
このように旅をするように組み込まれている行動を生得的行動(本能)と言います。
環境の変化で不適応的になっても、この渡りから逃げられない宿命を背負っているのですね。
カモ撮りこうちゃん