オニグルミの苦い思い出
東北では山沿いの道路脇や沢筋にはオニグルミが生えています。
葉の間に青い実がいくつかまとまってなっています。
クルミといえば、リスがクルミを頬袋に貯めこんで頬を膨らませている写真をよく見かけますね。
オニグルミの実がまだ青い頃、地面に落ちていたのを拾って、その殻を取り出そうとしたことがありました。
その強烈な臭いと掌(たなごころ)についた茶色の色が取れなくなりました。
1週間くらい臭いと色が取れないままだった記憶があります。
その臭いときたら便のスカトールのような臭いで、ニンニクどころではなく、とても他人の傍には近寄れないぐらいの臭いでした。
イチョウのギンナンが完熟してくると強烈な臭いがするのと同じです。
クルミにしても、ギンナンにしても地中に埋めたり、バケツに水を張って果肉を腐らせてから取り出す意味がようやく分かりました。
あの大きなクルミがどうやってできるのか、ずーっと不思議でした。
花はどんな花なのか、どうやって実ができて来るのかも知りませんでした。
そんなことが気になって、春先からオニグルミの木を観察していました。
クルミは葉が出だしてから房状の雄花が垂れ下がります。
春になるとカバノキ科やヤナギ科の花の多くと同じように垂れ下がった雄花を咲かせるのです。
私はこれらの雄花の違いを見て種の区別をすることが、今のところできません。
同じ木に雄花と雌花は別々に咲き、雌花は木の先端部から花茎を出して赤い花と小さい子房がある実の赤ちゃんがついています。
その雌花の赤い花は雰囲気がある綺麗な花です。
そこに風に乗って来た雄花の花粉(風媒花)がついて受粉するようです。
同じ木の雄花が咲いている時期と雌花が咲く時期がずれている雄性先熟ではないかと思われます。
やはり他家受粉による戦略をオニグルミも採っているように思われます。
(クルミ科 クルミ属)
カモ撮りこうちゃん