小気味よく飛び、大胆に突っ込むコアジサシ

蟹江周辺の善太川、ウォーターパークなどで2年間にわたってコアジサシを見かけました。

小さいながらもカモメに比べて羽が細長く、小気味よい飛び方をします。

鮮明な写真を撮りたいと思いながら、ぼけた写真しか撮れていません。

コアジサシは世界的に数が減少しているようで、環境省の鳥類レッドリストで絶滅危惧種Ⅱ類の指定を受けています。

ユーラシア大陸に分布し、本州には夏鳥としてやってきます。

河原や海岸の砂浜や砂利場で産卵し育雛するようですが、蟹江周辺では私はまだ確認していません。

NHKの「ダーウィンが来た」では、羽田空港近くの巨大建物の屋上で繁殖している様子を放映していました。

コアジサシの数が多くないことは、2年前に名古屋の庄内緑地に出かけたとき、池の上空を飛ぶコアジサシの写真を撮っている人がいて、「コアジサシはとても珍しい。」と話してくれました。

私が「蟹江でよく見かけますよ。」と応えると、「蟹江には産卵・育雛する河原があるからではないか。」と話してくれました。

一昨年の6月末にウォーターパークの大膳川上空で、コアジサシが何羽も飛んでいるのを見かけました。

下の水面を見ながら飛び回っています。

そのうちに空中の一点でホバリングしたかと思うと水中に頭から突っ込んでいきました。

飛び込んで水中から飛び上がってきた時には魚を咥えていました。

見ているとかなりの確率で魚を咥えています。

この様子から魚を捕る名手と言えそうです。

飛んでいたコアジサシのうち、2羽が川に浮いている橙色の太いパイプに降り立ちました。

そのコアジサシに魚を咥えたコアジサシが飛んで来て口移しで魚を与えていたのです。

降りたのは幼鳥だと思われます。

その幼鳥はずーっとそこに留まっています。

しばらくすると、また親鳥らしいコアジサシが魚を咥えて運んできて幼鳥に渡しています。

何度もそれを繰り返していました。

幼鳥は飛べるようになっても、餌である魚を捕る技は未熟で捕れないのでしょう。

そこで幼鳥が巣立ちをしても、親鳥が餌の面倒をみることになります。

これはツバメの場合も同じでした。

自分で飛べるようになっても親に餌をせがんでいました。

そう考えると、「巣立ち」して飛べることと、餌を自分で捕れる「独り立ち」とは違う概念だと思われます。

その間は親鳥が面倒見なければならないのですね。

どの鳥でも、独り立ちさせるのは大変な作業なのだなあと考えてしまいました。

(チドリ目 カモメ科)

カモ撮りこうちゃん