あのミヤコドリはユリカモメのことらしい

蟹江のウォーターパークや日光川河口で、カモメより小さくて白いカモメがたくさんいることに気がつきました。

それがユリカモメです。

ラムサール条約の藤前干潟ではカモメがたくさん見られますが、ユリカモメは内陸に入り込んだ河口やその上流、大きな沼にも現れます。

飛島村三福の田植え前の田んぼでも、ユリカモメの一団を見かけました。

伊勢湾河口に近いからだと思われます。

カモメもときどき見かけますが、断然ユリカモメの方が多い感じです。

ユリカモメは嘴(くちばし)が赤くその先端が黒く、脚が赤く羽が白いのが特長です。

また目の後ろに黒の薄い斑紋があります。

見た目にもとてもきれいなカモメです。

食性は魚、甲殻類の他に昆虫や植物の種も食べ環境適応能力はとても高いようです。

ユーラシア大陸で繁殖し、冬鳥として日本に渡ってきます。

5月の半ばになると帰ります。

帰ると産卵・育雛(いくすう)するはずなので、帰る頃番い形成をする必要があります。

4月19日に飛島村の水田で、一団のユリカモメが採餌していました。

しばらくすると群れは移動していきます。

その群れには頭が黒いもの、その途中のもの、白いものが入り混じっています。

夏羽に変わるのでしょうか。

頭が黒くなるのはユリカモメ全体なのか、オスだけなのかいまのところ分かりません。

カモのオスの生殖羽の例からすると、オスだけではないかと予想しています。

本当かどうか楽しみにしています。

ユリカモメといえば、東京の新交通システムのユリカモメを想い出します。

また東京都のシンボルの鳥にもなっています。

関東地方には昔からユリカモメが越冬のためにたくさんやってきたのでしょうね。

ウィキペディアの「ユリカモメ」の項を見ていたら、面白い記事が載っていました。

在原業平(平安時代初期)を主人公に見立てた伊勢物語です。

その「九段の東下り」に、

「なおゆきゆきて、武蔵の国の下つ総の国との中に、いと大きなる河あり。それをすみだ河といふ。白い鳥の嘴と脚と赤き、しぎの大きさなる、水の上に遊びつつ魚を食ふ。京に見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。渡しもりに問ひければ、「これなむ都鳥。」と言ふを聞きて、『名にし負わばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと』と読めりければ、舟こぞりて泣きにけり。」

この歌に詠まれた鳥の特長はユリカモメそっくりです。

ミヤコドリというのは地方の呼び方ではないかと思われます。

京都の鴨川でみられるようになったのは1974年と後年のことです。

時代の流れと共に、ユリカモメも越冬場所を拡大していったのでしょうね。

(チドリ目 カモメ科 カモメ属)

カモ撮りこうちゃん

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