クリの実がどうできるのか、知らなかった

最近のクリのとても美味しいのは品種改良が進んでいるからでしょうか。

クリを使った栗きんとん、クリ羊羹やマロンケーキなど私たちの生活の中でたくさん使われています。

岐阜県はクリの名産地で、中でも栗きんとんが有名です。

山形のクリの想い出は2つあります。

1つは秋になると、山寺に通じる道路端でおじさんがクリ入りの網袋を地面に座って売っていたことです。

店構えは全くなく、ただ座ってクリの網袋を売っていたのです。

500円だったと思います。

ただそれだけなのですが、自宅で獲れたクリを現金収入に繋げるための販売だったようですが、売れていると思えませんでした。

でもその情景が懐かしく思い出されるのです。

もう1つは天童高原のヤマグリの想い出です。

山頂の広場にヤマグリの木がたくさん植わっていて、秋になるとイガが落ちてくるのです。

ヤマグリは栽培種より小さいですが、その数が半端でなく多く、それがポロポロと落ちてきます。

イガが体に当たってとても痛かったことを覚えています。

たくさん獲ったヤマグリは知人にあげました。

天童高原のヤマグリが落ちているところに、ニホンザルの群れが来て食べていきました。

少し齧っては捨てるを繰り返していました。

勿体ない食べ方だなーと思ったものです。

これまでクリの実のでき方を考えたこともありませんでした。

6月になると、クリの白い房状の花が咲いて、むっとする強烈な匂いで頭がくらくらするくらいです。

クリの匂いはウツギ(卯の花)と似ています。

そしてその匂いに惹きつけられて、ハエ、コウチュウやハチなどが引き寄せられてきます。

そんな房状の花が終わって、秋になるとイガグリができるのです。

どうしてなのか訳が分かりませんでした。

クリの花が咲き出した頃、水晶山の林道で初めてクリの枝を観察してみました。

すると房状になった花とは違って、枝に赤ちゃんである小さいクリの元がついていたのです。

枝のつけ根付近のところどころにできています。

その中に小さな白いものが見られました。

これがクリになるのかと合点したものです。

クリは雄花と雌花がキュウリのように分かれているようです。

1つの花に雄しべと雌しべがあるのではないようです。

房状のものが雄花で、クリの赤ちゃんが雌花です。

イガグリになる小さなクリの元が別にあることに驚いてしまいました。

考えてみたら、オニグルミも同じようだなと思い当たりました。

クリがどのように生長してくるのか、今頃になって知ったのです。

頭だけでなく実際に行動しながら知ることの大事さを、このクリを通して経験したのでした。

(ブナ科 クリ属)

カモ撮りこうちゃん