恐るべしヒドラ

ヒメダカは江戸時代には一番小さい金魚として庶民に飼われてしました。

小学生の頃はヒメダカでしたが、今は野生のメダカを育てています。

メダカは6月を過ぎると産卵し出します。

ホテイアオイの根や水草のアナカリスに卵を付着させます。

同じ容器だと稚魚の密度が高くなって、最後は容器に合う数だけになってしまいます。

餌の量の与え方も関係するのですが。

そこでいくつかの容器に分けて、孵化させた稚魚を育てました。

ところがある容器のメダカだけ稚魚が少なくなるのです。

なぜだろうと思いました。

これまでそんなことがなかったわけではありません。

買ったアナカリスに緑色のイトトンボの幼虫がいて、稚魚を餌食にしていたのです。

今回はイトトンボの幼虫はいません。

不思議に思いながら、何度も観察しているうちに容器の壁でユラユラ糸状のものを揺らしている小さいものを見かけました。

見た瞬間、ヒドラだと思いました。

いくつものヒドラがくっついていたのです。

ヒドラは淡水生のイソギンチャクで、触手で稚魚を捕まえていたに違いありません。

どこから入り込んだのか分かりませんが、他の金魚鉢にもヒドラがいるものがありました。

稚魚が成魚になるとヒドラは見かけなくなりました。

秋の終わりに金魚鉢を空にして、春になって稚魚を育て出すと、不思議にヒドラが出現するのです。

とても不思議です。

ヒドラは茎から枝状のものを出して植物のように増えていくようでした。

杉山剛英さんの「興味ヒドラの生態」には「基本的には無性生殖だが、水温が急激に変化(八度位)すると異変を感知して雌雄に分かれる。卵巣と精巣を体表に作り受精卵を雌の体内に残すが老化していずれ死ぬ。できた受精卵は乾燥に耐えるが、孵化する日数は13~100日とバラつきを示す。これは一度に孵化して悪条件であった場合に絶滅するのを回避する知恵である。」と記されています。

こうした生態から、空の金魚鉢でも生き抜くことができるようなのです。

凄いやつだなぁと思ってしまいました。

ヒドラがメダカの稚魚を捕まえているはずだと思っていたものの、見かけていませんでした。

でもある時、捕まえた瞬間ではないものの、捕まえている場面を見かけました。

やっぱりメダカの稚魚を捕食していたのです。

変幻自在の生き方のヒドラを見て、恐るべしヒドラと思ってしまいました。

掲載した写真は、撮影の未熟さゆえに良いものではありません。

でもヒドラの醍醐味だけでも理解して貰えたらと思って掲載しました。

悪しからず!

(ハナクラゲ目 ヒドラ科 ヒドラ属)

カモ撮りこうちゃん