ウツギ(ウノハナ)の匂いって?
小学校の時に唱歌「夏は来ぬ」の「うのはなの匂う垣根に、ホトトギス早も来鳴きて~」の歌をよく歌ったものです。
この曲を聴くと歌っていた情景を想い出します。
歌詞にあるウノハナの匂いは、どんな匂いなんだろうと思っていました。
多分かぐわしいのだろうと予想していたのです。
春の終わり頃の東北の野山を歩き回っていて、見かけるピンクや赤い花が咲くタニウツギをウノハナだと思い込んでいました。
タニウツギの花はロート状で生え方はアジサイの群落のような感じです。
近づいて匂いを嗅いでも、歌詞に書かれている匂いは全くしません。
どうしてなんだろうとずーっと思っていました。
植物図鑑を調べているうちに、ウツギとタニウツギは違っている種だと分かってきました。
タニウツギは垣根に植えるには株が大きくなりすぎます。
でもウツギ(ウノハナ)は周りを探してもほとんど見かけないのです。
紅花で有名な高瀬部落に近い山に5月初旬に入った時に、初めてウツギを見かけました。
白い花がいくつか咲いていましたが、匂いが強くかぐわしい感じはしませんでした。
その後何回も出かけているうちに、その実も知るようになりました。
小さな黒いコマのような実がたくさんつくのです。
翌年水晶山に行く途中の田んぼの土手で、たくさんのウツギが咲いているのを見かけました。
近くまで写真を撮りに行って、初めてウツギの花の匂いを嗅ぎました。
ボアーッとした匂いでクリの花の匂いと似ていました。
私はキンモクセイのような匂いを想像していたのでした。
花の強烈な匂いに引き寄せられて、ジャコウアゲハやクマバチ、ハエの仲間がたくさん見られました。
歌詞のほのぼのとした匂いの情景と、実際の匂いとは随分違うのだなあと思ったものです。
豆腐のオカラもウノハナと呼ばれています。
トクバイニュースには「和食の世界では、本来の食材の呼び名ではなく、別の名前で呼ぶケースがあります。そのひとつがおからですね。おからの“から”が“からっぽ”に繋がるのを嫌い、卯の花という別名が付けられたといわれています。卯の花という名前は白いウツギの花にたとえてつけられたようです。」と述べられています。
蟹江周辺では、東名阪道沿いのフェンス付近や、海津市のハリヨ公園で咲いているのを見かけます。
でもウツギが垣根として使われているのは、今のところ見たことがありません。
時代と共に垣根に使う木々の種類も変わってきているのでしょうね。
(ユキノシタ科 ウツギ属 落葉低木)
カモ撮りこうちゃん