採りたてのワラビのお浸しは絶品だぞ

仙台で下宿していた時、下宿のおばさんが泉ヶ岳でワラビを採ってきて、夕飯のおかずにお浸しとして出してくれました。

それまでワラビを見たり食べたりしたことは全くありませんでした。

口に入れると芯が残って食べられません。

こんなものが高くて美味いというのは訳が分からないと思ったものです。

仙台にいた頃は4月下旬に県民の森にワラビを採りに行きました。

その頃にはワラビが分かるようになっていました。

採ったワラビを鍋で湯沸かしして、灰汁抜きに重曹を入れて1~2分ほど茹でた後、取り出して水に晒します。

翌日にある長さに切り、鰹節をかけポン酢で食べるのです。

青々とした茎と根本が暗い緑のワラビのお浸しは絶品だと思うようになりました。

下宿で出たお浸しは、伸びて呆けたものだったと後年になって気がつきました。

ワラビのせいではなかったのですね。

天童に住む頃になると山道を歩くとワラビがここにあるよーと呼びかけてくれる感じになりました。

ワラビは枯れ草がある土手や農業放棄地に多く、そんな条件を無意識に理解するようになってきたからでしょう。

数本見つければ周りにまだあるという感じです。

地下茎が繋がっているからのようです。

同じ場所をグルグル回って、新たに見つけ出す醍醐味がまた楽しいのです。

ワラビは4月末になると芽が出てきますが、採ってから数日後に行くとまた生えています。

雨が降った2~3日後は特にその量が多いのです。

同じ場所で何回も収穫できるので、場所を覚えれば毎年ワラビ採りを楽しめます。

ワラビは偶然見つけて採るもので無料だと思っていましたが、山形では小国町にわざわざ入山料を払ってワラビ採りに行く人たちが大勢います。

仙台からも出かけていくようです。

季節料理の食材として、大量のワラビを必要とする人たちなのでしょう。

私が採っていた場所は、白水川ダム付近と高瀬の農業放棄地で、採れる量もそれほど多くありません。

家に帰って重曹で灰汁抜きして、酒の肴(さかな)にして楽しみました。

ワラビを牛や羊が食べると中毒症状を起こします。

また発がん性物質のプロキタサイドが含まれています。

たくさん食べ過ぎない方が良いかもしれませんね。

灰汁への感受性に個人差があるらしい面白い経験をしました。

私は灰汁抜きするとすぐ食べられますが、知人は苦くて食べられないといいます。

どうも苦みを感じる味覚に個人差があるようなのです。

そんなこともワラビを介して学んだ事柄です。

(シダ目 コバノイシカグマ科 ワラビ)

カモ撮りこうちゃん