ヤマグワの実を食べてみたけど

大学の同級生は長野県出身で、小さい頃ヤマグワの実を食べて口の周りが紫色になったと自慢そうに話していました。

羨ましくてさすが信州だなと思ったものです。

奥羽山脈の麓(ふもと)を歩き回ると、頻繁にヤマグワを見かけます。

東根市の水晶山(標高640m)の入り口に溜め池があり、その奥は農業放棄地になっていて何本かヤマグワの木があります。

6月を過ぎるとヤマグワの実が熟れだします。

緑の実が赤くなります。

赤い実が熟れたと思い口に入れてみたら、酸っぱかったのです。

赤が紫色に変わってから口に入れると、ゴワゴワするものの甘い味がしました。

紫色になる頃が食べ頃なんだと、同級生の話を想い出しながら確認しました。

数日後に行ってみると、ヤマグワの木の枝が何か所かへし折られていました。

クマの仕業ではないかと思われます。

ここは奥羽山脈に繋がる麓なのでクマの行動範囲内に入っていると思われます。

クマにとってもヤマグワの実は自然の恵みそのもののはずです。

山道を動植物の写真撮りで歩くとき、キイチゴやヤマグワの実を見つけると口の中に入れていました。

余りきれいでないと思いますが、気にしないことにしています。

ヤマグワの実をたくさん採ったので知人にあげました。

ジャムにしてみるとの話しだったので、次の訪問時に試食させてもらうことにしました。

食べてみるとまあまあの味がしました。

砂糖を入れて煮たものの味がすっきりしないので、レモンを入れたとのこです。

多少は美味しくなったとのことでした。

私たちが買うジャムは、美味しくなる工夫がされています。

ヤマグワのような素朴な味とは格段に違いがあることは違いありません。

蟹江周辺でもヤマグワがあることに気がつきました。

永和の雑木林にあるヤマグワは、実が熟れだすとムクドリやスズメが群がって食べに来ます。

地面に落ちると地面に降りてその実を食べています。

ヤマグワの実が美味しいことを知っているのですね。

この雑木林周辺ではヤマグワの他に、季節に従ってクスノキ、アカメガシワ、ムクノキ、ナンキンハゼなどの木の実がつきます。

鳥たちはそのことを知っていて、命を保っていくようです。

その知恵には驚くばかりです。

(クワ科 クワ属 落葉高木)

カモ撮りこうちゃん