オスの生殖羽が美しい中型のカモ ヨシガモ

カモの仲間のオスの生殖羽は美しいものがほとんどですが、中でもヨシガモのオスのそれはとても美しいと思います。

マガモでもコガモでもハシビロガモでも、オスの生殖羽はメスを惹きつけるために魅力的な色合いを醸し出しています。

何といっても、その最たるものはオシドリのオスの生殖羽であることは認めざるを得ませんが、それを除けば、ヨシガモではないかと私は思っています。

ヨシガモのオスの生殖羽は、顔は緑で頭はナポレオンの帽子のような形の茶色の線が嘴(くちばし)の付け根から後頭部まで走っています。

胸から腹にかけては鱗状の灰色の模様になっています。

尾羽は黒と白の羽が後ろと左右に流れています。

それらが日光の当たり具合で輝いて見えるのです。

メスはどのカモも同じで余り特長はありませんが、茶色の色合いが強いように思われます。

カモのメスの区別がまだなかなかつけられません。

蟹江周辺では、日光川の河口に近い日光大橋の上流部分に12月下旬になるとやってきます。

そして3月下旬から4月上旬には帰って行きます。

その数は20~30羽位ですが、番いのヨシガモが4月中旬までいることもあります。

他には清須とあま市を流れる五条川で数羽見られる程度で、余り数は多くありません。

天童に住んでいた頃には、原崎沼のハスが生えている南西部に数10羽のヨシガモが来ていたのが想い出されます。

ヨシガモたちは日光川の隣の佐屋川(私有地)で泳いだり、間にある土手で採餌している様子が見られます。

人が近づくと飛び立って日光川の真ん中まで逃げていきます。

日光川でヨシガモを見かけても、人から離れていくので撮ろうとしても後ろ姿しか撮れません。

ヨシガモは、シベリアや千島列島周辺から越冬のためにやってきます。

繁殖地の故郷に帰る時は、木曽川や長良川沿いに北上し、日本海側を青森と北海道経由で帰って行くのではないかと考えられます。

こんな長い距離を毎年やってくることを考えると、ロマンというよりは労力や危険を心配してしまいます。

中には北海道で繁殖するヨシガモもいますが、生得的な行動も、環境の変化(自然環境の破壊や温暖化)との相互作用によって、変化させられるのかも知れませんね。

親たちが北海道で繁殖するようになれば、その子どもたちがそれを踏襲するのは、カモたちの保守的行動からすると予想できるといえそうです。

(カモ目 カモ科)

カモ撮りこうちゃん

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