小さい頃はナマズをよく捕まえた
小学生の頃7月初旬の田植え時期になると、畦の小川で魚捕りをしたものです。
その頃にはフナの稚魚が群れで泳ぐようになります。
それをザルや四手網で捕まえるのです。
捕った中には鱗がない内臓が透けた変わり種がいて、金魚鉢で育てたりしました。
当然ドジョウやオタマジャクシの他にナマズの稚魚も四手網やザルに入ってきます。
ナマズの稚魚は手で掴むと髭(ひげ)が口にひっついて、オタマジャクシと区別できません。
でも顎が角ばっているので瞬間的に区別できるようになってきました。
東北ではナマズを捕ったという話は聞いたことはありません。
ナマズの数は全国的に減っているのではないかと思われます。
そんなことがあって、ナマズの稚魚を捕ったことなど昔の夢だったと思っていました。
蟹江に戻って用水路にタモ網や四手網を入れると、ナマズの稚魚が捕れることがあるのです。
庭の塩化ビニールの水槽に入れて飼育しようとすると、ピョンと水槽の外に跳ねて死んでしまいます。
ネットを張ってもなかなか防げません。
加えてナマズは生餌しか食べないので、それも育てるのが難しい一因となっています。
ナマズは木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)とその分流の日光川や善太川などで見られます。
蟹江町内には川魚料理「なまずや」が、海津市の「千代保稲荷」の門前には、ナマズの蒲焼店がいくつもあります。
その値段はウナギの蒲焼より高いくらいです。
善太川で写真撮りをしていると、春先に川をゆうゆうと泳ぐナマズをときどき見かけます。
産卵期になると、川辺付近や川に通じる浅瀬の用水路に入り込み、人が近づくとビシャッと跳ねて逃げていきます。
このように産卵期に浅瀬に上がってくる習性があるようです。
昔は畦の小川を上り田んぼの中に入り込んで、オスとメスが絡み合いながら受精し産卵したと言われています。
ところがコンクリートの用水路に変わって、産卵場所を求めて四苦八苦して、仕方なく泥が堆積した、コンクリートの用水路内で産卵する可能性があります。
用水路でメダカを捕っていたら、傍を通ったおばさんが、「用水路をたくさんの魚が泳いでいったことがある。」と話してくれました。
「多分、ナマズかドジョウではないかと思う。」と話しました。
水郷地帯と呼ばれる蟹江の周辺だからこそ、ナマズがまだ生息しているのです。
いつまでもナマズが見られればよいなと思ってしまいました。
(ナマズ目 ナマズ科 ナマズ属)
カモ撮りこうちゃん