ひっつき虫のうちでも超難敵のセンダングサ

一年中動植物の写真を撮るために、日光川、善太川の土手やその周辺の叢(くさむら)の中を歩き回っています。

そんな私にとって、その行動を制限されるのが、秋になって「ひっつき虫」と呼ばれる植物の実が衣服にひっつくことです。

思いつくだけでもアレチノヌスビトハギ、チカラシバ、イノコズチやセンダングサなどがあります。

の中でもセンダングサの実(種)が一番の難敵だと言って良いでしょう。

秋の初め頃からアレチノヌスビトハギはズボン、靴下や靴などにひっつきだしますが、それを取り除くにはかなりの時間がかかります。

叢でひっついたアレチノヌスビトハギの実を取り外すには、道路に座り込んで20~30分くらいかけて取り除きます。

人が見ていない場所ではズボンを少し下ろして、ズボンの後ろのアレチノヌスビトハギの実を丹念に一個ずつ取り除きます。

そんな手間がかかっても、まだセンダングサよりはましなのです。

秋になると、センダングサの黄色い花が枝分かれした天辺にたくさん咲きます。

黄色い花といっても頭状花だけで花びらがないので、花というよりは蕾のままの感じです。

そこにキタキチョウなどのチョウが吸蜜のために集まります。

また白い花びらがあるシロセンダングサもあるのですが多くは見かけません。

センダングサには、コセンダングサとアメリカセンダングサがあります。

コセンダングサは江戸時代に入ってきた帰化植物ですが、アメリカセンダングサは大正時代に北アメリカから入ってきた新参者です。

蟹江周辺ではコセンダングサが優勢です。

アメリカセンダングサは暗紫色の茎で、花を支える総苞(そうぼう)が長く、頭状花の外に広がっています。

実際に歩いて確かめていますが、茎の色合いの違いでコセンダングサとアメリカセンダングサを区別するのは難しいようです。

総苞の違いの方は役立ちそうです。

実の部分のひっつく鍬形(くわがた)の形と数で区別できると書かれているものもありますが、それで両者を区別することは、今の私には難しいようです。

10月後半になると、歩く土手の両方からセンダングサの実がズボンや靴下にひっついてきます。

その形は鍬形の枠に逆向きの小さい棘がついていて、衣服に突き刺さっても外れないのと、鍬形の枠が皮膚に突き刺さるのでとても痛いのです。

ひっつかないようにナイロン製のズボン、ウインドブレーカーや靴などを履くようにしていますが、それでもひっついて皮膚に突き刺さります。

実を外そうとすると、鍬形が折れて、その一部が衣服に残ったままになり、痛さが解消しないことも多いです。

秋から春にかけて、こんな理由で活動を制限されるので、うっとうしい季節といっても良いでしょうね。

(キク科 センダングサ属)

参考文献「野草・雑草の事典530」(金田初代 金田洋一郎 西東社)

カモ撮りこうちゃん