緑青色の羽が輝くタゲリを見かけた

蟹江周辺ではケリをたくさん見かけます。

一年中いて春には子育てする様子が見られる留鳥です。

私はケリとタゲリの違いが長い間分かりませんでした。

知人とケリの話をした時、相手はタゲリを、私はケリのことを話していてかみ合わなかったことがあります。

12月末に海部郡飛島村の麦畑付近で車を走らせていた時、緑青色に輝く羽をしたケリ位の大きさの鳥を見かけました。

行き過ぎようとした瞬間タゲリだと思いました。

車を停め、窓ガラスを下げて写真を撮ったのですが、後ろ向きで上手く撮れません。

降りて撮ろうとした瞬間飛び立ちました。

胴体が白く羽が黒くなかなか綺麗な鳥です。

その時は1羽だったのですが、遠くに他のタゲリもいました。

群れだったのです。

何年もこの辺りを走り回っていますが、タゲリを見たのは初めてでした。

翌日に出かけたらいませんでした。

タゲリはユーラシア大陸からの冬鳥で、他への移動中だったのだと思ったのです。

数日後に同じ場所に行ってみると、そこにはタゲリの群れがいました。

10数羽の群れで、麦畑や刈取り後の大豆畑で餌を探していました。

そこで写真を何枚か撮りました。

観察していると、休憩時は畑の真中の溝に座って休んでいます。

幼鳥だと思われるタゲリが、溝にきれいに並んで座っています。

その傍に立っているタゲリがいて、先生が生徒を教えている教室場面のような光景です。

微笑ましく思いました。

餌を探すのも飛ぶのも集団で行動しますが、1羽だけで行動しているものもいました。

そのタゲリは養殖池の中の通路を歩いていました。

池の周りをネットで囲まれ、中の通路に沿ってテグスが何本か張ってある場所です。

その通路でミミズを捕っているのを見かけました。

一度入ったら出られないのにと心配しました。

集団の移動に取り残されたら、生きていけないだろうと思ったのです。

翌日に養殖池に出かけたら、またタゲリがいました。

閉じ込められていたのか分かりませんが、やっぱり通路で餌探しをしていました。

するとそのタゲリは通路からネットを潜(くぐ)り抜けて、池から道路に出てきたのです。

閉じ込められていたのではなかったようです。

サギや水鳥なら出られないのに、潜り抜ける知恵があったのです。

とても驚きました。

タゲリの群れを1週間ほど追いかけましたが、その後見えなくなってしまいました。

他の土地に移動していったのでしょう。

今年の冬も、タゲリがやって来るかどうか楽しみにしているところです。

(チドリ目 チドリ科)

カモ撮りこうちゃん