カモの仲間のパンダ ミコアイサ

11月になると、善太川、ウオーターパーク、佐屋川にユーラシア大陸やカムチャツカ半島からミコアイサがやってきます。

潜って魚を捕るカモで、中型のカモのうちでも小型の部類に入ります。

カモは例年同じ場所で越冬する習性があるようです。

親に連れられて越冬しにきたので、それを踏襲しているからです。

とても安全な戦略です。

もし環境が変われば、他に移動して越冬することを試みるでしょう。

そんな理由でミコアイサはどの川でも見られる訳でなく、前年と同じ場所で見かけることがほとんどです。

その数が多かったり少なかったりすることは当然ありますが。

ミコアイサがやって来た時は、一見するとメスばかりのような地味な姿をしています。

最初はなぜメスばかりなんだろう、オスはまだ来ていないのかと疑問に思いました。

でもよく見ると、羽が少し変わりかけのものも含まれていました。

少し経つと、そのミコアイサは集団から少し離れたところにいるようになりました。

オスが生殖羽になる途中をエクリプスと言っています。

12~1月頃になると、エクリプスのオスの羽が、きれいな真っ白な生殖羽に代わります。

エクリプスから生殖羽に変わる時に、メスとオスとの心理的な区別が強まるのではないかと予想しています。

この時期が番いを形成する時期だからです。

一番ミコアイサのオスがきれいになる時期がこの越冬中なのです。

ミコアイサのオスの特長は、目の周りがパンダのように黒いことです。

初めて見た時はカモのパンダじゃないかと叫んでしまいました。

自然は、なんでこんな模様を作り出したのかとても不思議です。

自然が行った遊び心ではないかと思ってしまいました。

よく観察していると、ミコアイサはとても臆病ですぐ飛び立ちます。

一緒に越冬しているカルガモ、マガモ、オカヨシガモたちは飛び立とうとしないのに、ミコアイサはすぐ飛び立つのです。

私が土手を歩いていくと、水面上を右や左に行ったり来たりして落ち着かなくなります。

飛び立とうかどうか葛藤している状態が行動に現れているのです。

種としてこんなに臆病で敏感だからこそ、生き残っていけるのかもしれませんね。

私は「臆病者のミコアイサ」と呼んでいます。

(カモ目カモ科)

カモ撮りこうちゃん