ヘチマの想い出

小中学校時代、ある会社の社宅で育ちました。

庭にはオシロイバナやホオズキなどの園芸植物を植えていました。

夏になると扇風機で涼をとっていたのですが、南側の部屋は直射日光が当たって部屋は蒸し風呂状態になります。

そこで父が細い竹を組み合わせて、ツル性の植物が伸びられるように、南側の部屋の前を工夫していたものです。

当時はアサガオの他にヘチマやヒョウタンなども併せて植えていました。

今ならゴーヤを植えるところでしょう。

ゴーヤは葉の密度が大きいので、直射日光を遮断できると思われます。

ヘチマやゴーヤもウリ科なので、多くのものは黄色い花が咲きますね。

木曽川と長良川に囲まれた福原輪中の畑で、高いネットの上からヘチマが垂れ下がっているのを何十年振りかで見かけました。

とても懐かしい感じがしました。

そのヘチマが小さい時に知っていたヘチマに比べると、かなり大きく長いもので、とても驚きました。

ヘチマといえば、色々の想い出があります。

今のように風呂場で使うスポンジがなかった頃は、ヘチマを何日も水に浸けてから、その実の部分を取り去って繊維状の部分だけにします。

それらを適当な長さに切って、風呂で体を洗う道具にしていました。

化学用品のスポンジができて廃れてしまったのです。

母がヘチマの根元を切って、そこの茎からしみ出てくるヘチマ水を化粧水として使っていたのも覚えています。

地中の微量成分がヘチマ水に含まれている可能性はあるかも知れませんが、その化粧水としての効用があったがどうかは定かではありません。

一番の想い出は、同居していた祖母の乳房がヘチマのような形で大きかったのです。

小さい時からヘチマだ、ヘチマだと囃し立てていたのですが、歳を重ねるうちに乳房がだんだん小さく萎んでいきました。

そんなことが祖母の老いを強く感じさせることの一つでした。

それを今でも強烈に覚えています。

カモ撮りこうちゃん

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