コシヒカリとアイチノカオリ

飛島の周りに出かけると、今の時期8月中旬に既にイネの稲穂が垂れていました。

時期的に早すぎないかと思う程です。

自宅近くのイネは、まだ出穂(しゅっすい)もしていません。

イネの活着のために3週間程水抜きをしている最中で、もうじき地面がひび割れるようにもなります。

同じイネなのに、こんなにも生長の仕方が違うとびっくりしますね。

飛島のイネは早生(わせ)のコシヒカリで、自宅近くのイネは中生(なかて)のアイチノカオリです。

コシヒカリの味は良いのですが、病虫害に弱く倒伏しやすい欠点があります。

アイチノカオリは粒が大きく、おいしさ、つやや粘りが揃った優良品種といわれています。

日本では昭和30年代に、やっとイネの自給率が100%になりました。

だから品種改良の基本方針は大量にとれる品種が目指されていたのです。

そんな改良の際に、粒数は少ないのに食味が良いコシヒカリが、品種選択で紛れ込んだのです。

福井県の農業試験場で産声を上げて各県に試験栽培されましたが、新潟県魚沼では良いコシヒカリがとれました。

そして時代は、量よりは質の高い美味しいイネ(コメ)を求める時代に入ってきていたのです。

(参考文献 酒井義昭 コシヒカリ物語 中公新書)