鳥たちが集団行動する意味はどんなことかな?
私たちの周りには群れで行動している鳥がいます。
逆に孤高を保って単独で生活しているものもいます。
カラスやケリのように繁殖期以外には小群で生活するものもいます。
集団行動する鳥たちの多くは餌食にされ易い鳥の仲間のように思われます。
集団行動するメリットはどこにあるのでしょう。
明快な答えは持ち合わせませんが、これまでの観察から、集団行動することの意味を感じることがあります。
チョウゲンボウ、ミサゴ、コアジサシやカワセミなどが獲物を狙うとき、獲物をロックオンすると思われる体勢をとります。
空中で一瞬とまって体を立ち上げてホバリングするのです。
そして獲物の飛びかかっていきます。
必ずそうした行動をとるので、そうしないと獲物を襲うことができないらしいのです。
獲物になる対象の鳥や魚が大群なら、その中の1羽や1匹に焦点を当てるのは難しいと思われます。
すぐに他の個体が視野に入り込んでくるからです。
私自身の経験からも、カワラヒワ、スズメやハトが大群で餌を採ったり飛んでいる写真を撮ろうとすると、ある個体に焦点を当てることが難しく、集団全体を「めくら撮り」してしまいます。
その結果ほとんどぼけてしまいます。
この経験から類推するとチョウゲンボウ、ミサゴ、コアジサシやカワセミも獲物である集団のある個体にロックオンすることは難しいのではないかと思われます。
NHKの「ダーウィンが来た」で「大追跡!ヒヨドリ津軽海峡越え」という番組がありました。
秋になると北海道から津軽海峡を本州に渡るヒヨドリ2000羽以上の群れがいくつも見られます。
北海道側でも本州側でもハヤブサがそれを待ち受けています。
ハヤブサがヒヨドリの群れに襲いかかると、ヒヨドリは海面すれすれに飛んで急降下するハヤブサの攻撃を防ぎます。
その海峡の波は3mを越える高さです。
当然餌食となるヒヨドリも出ますが、それは群れから外れたヒヨドリです。
そんな放映内容でした。
集団から外れたヒヨドリはロックオンしやすく、追跡して狩り易くなるのでしょう。
群れの中にいるのが安全を保つ効果的な方法です。
群れにいるのが安全なのは、他個体との関係で襲われる危険率が低いからだと単純に考えていましたが、実はそうではないのではないかと考え始めました。
ハヤブサが襲おうとしたとき、ヒヨドリが個体をロックオンされないように集団になって積極的に防いでいることが、鳥たちが安全を保てる理由ではないかと思われるのです。
長い進化の過程で、襲うものと襲われるものの機能の均衡の結果で、命を巡る攻防といえるかもしれませんね。
海洋のイワシやサンマの群れを襲うマグロやカツオも同じかどうかは分かりません。
いつか調べてみたいと思っています。
カモ撮りこうちゃん