こんな名前をつけられてしまったオオイヌノフグリ
冬から春にかけて叢や畔の暖かい南側ではコバルトブルーのオオイヌノフグリが花を咲かせます。
天童のサクランボやリンゴ畑の下草が刈られた畑で一面に咲いていたオオイヌノフグリの光景は今でも忘れられません。
このオオイヌノフグリという名前はなんということでしょう、「大犬の陰嚢」というのです。
他にも本当かと思うような名前の植物があります。
ママコノシリヌグイやハキダメギクなどです。
命名したのはきっと牧野富太郎に違いないと思ってしまうのですが、本当かどうか確かめていません。
オオイヌノフグリの花は触るとすぐにポロっと落ちる印象があります。
1日で花は落ちるので偶然その時期と重なっただけかもしれません。
それにしても綺麗なコバルトブルーで群生していると一層目についます。
叢では同じような花を咲かせるオオイヌノフグリよりは小さい植物があります。
それがタチイヌノフグリです。
これもよく見ると清楚な花ですが、目につきにくい存在です。
人間の目につかなくても、虫媒花なので(自家受粉もするらしい)、昆虫に気がついてもらえれば良いのですね。
ウィキペディアでは「和名はイヌノフグリと似てそれより大きいために付けられた。フグリとは陰嚢のことで、イヌノフグリの果実の形が雄犬の陰嚢に似ていることからこの名前が付いた。オオイヌノフグリの果実はハート型で、フグリに似ていない。~中略~ 花弁は4枚。それぞれ大きさが少し異なるが花は左右対称である。色はコバルトブルーだが、まれに白い花をつけることがある。花は太陽の光によって開閉し、1日で落下するが2日目にもう一度開くものがある。花の中心にある蜜でハチ、ハナアブ、チョウなどの虫を誘う虫媒花だが、自家受粉も可能で ~中略~ ヨーロッパ原産。アジア(日本を含む)、北アメリカ、南アメリカ、オセアニア、アフリカに外来種として定着している。日本に入ったのは明治初年と推定され、1884年あるいは1887年に東京でみられてから急速に拡大し、1919年には全国的にありふれた草になった。」と記されています。
私にとってはヒメオドリコソウと共に、昔からの日本産と思っていたのです。
オオイヌノフグリとタチイヌノフグリは外来種ですが、イヌノフグリは在来種です。
今のところイヌノフグリは見かけていません。
冬を成虫で過ごすキタキチョウやキタテハにとっては重要な蜜源です。
またオオイヌノフグリの白い花はよく見かけます。
脱色して白くなるのはオオイヌノフグリだけではありません。
4つ葉のクローバーを探すように、白いオオイヌノフグリを探してみるのも楽しいのではないでしょうか。
是非やってみてくださいね。
(シソ目 オオバコ科 クワガタソウ属)
カモ撮りこうちゃん