どこでも見かける大きなクズの葉
小さい時からトンボや魚捕りをして遊んでいた頃、夏になると川や線路の土手に大きな葉のクズが生えていました。
そんな秋の七草のクズがマメ科であることを後年になって知りました。
マメ科には3枚葉のものと羽状複葉のものがあります。
3枚葉のものは多くシロツメクサ、ゲンゲ、ダイズ、アズキ、ツルマメ、ヌスビトハギ、ヤハズソウ、メドハギなどが入ります。
また羽状複葉のものはカラスノエンドウ、スズメノエンドウ、クサネム、フジなどがあります。
クズは3枚葉の仲間で、マメ科のうち一番大きな3枚葉ではないかと思います。
またマメ科は蝶花といわれる独特の花を咲かせます。
子どもたちにマメ科かどうかを知らせる時、3枚葉もあるし羽状複葉もあると並列的に教えるのは、知識を羅列して覚えさせるだけで、余り良い方法とはいえません。
「マメ科は3枚葉」と教えたら、実際に野山を歩き回ってマメ科の探索をさせます。
3枚葉のマメ科には花が咲いているものがあり、独特の蝶花であることに気づきます。
葉と花の関係を知ると、同じ蝶花なのに3枚葉でないものに気づくようになります。
羽状複葉です。
そこで羽状複葉のマメ科を探して見ます。
こうしてマメ科には3枚葉と羽状複葉があることを花で関連させながら知らせていきます。
行動し関連させながら認識を形成する過程を考慮しながら、マメ科の特長を知らせることが大切ではないかと考えています。
クズの花は赤紫の円錐段階状に蝶花を咲かせます。
そして下から順に上に咲いて行きます。
これはウツボグサでもオオバコでも同じです。
クズといえばクズ餅を想い出しますが、そのとろみは澱粉(デンプン)です。
市販されているものはカタクリ粉と呼ばれていますが、材料はジャガイモです。
小学4年生の理科で澱粉作りをしたことを想い出します。
下ろし金でジャガイモをすって、それを布に包んでビーカーの水の中で絞ります。
すると澱粉が底にたまってくるという訳です。
今でもそのときの情景を想い出します。
10年位前に奈良の正倉院展にでかけました。
その帰りに職場の人たちへの土産にクズ粉(1袋ずつになったもの)を買いました。
帰ってから湯で溶いてみたら、土臭い香りがしました。
奈良の「吉野葛(くず)」は有名で、実際に山に入って職人がクズの根を掘ってきて製品にしているようです。
その様子は中京テレビの「ワザありにっぽん」で放映されました。
内容はクズの根を掘ってから製品に作り上げるまでの過程でした。
その中で、京都の料理屋の主人が「このクズでなければ京都の料理は作れない。」と話していたのが印象的でした。
クズって文化史的にもなかなか面白い植物だと思うようになっています。
(マメ科 クズ属)
カモ撮りこうちゃん