ビールの原料のホップだと思ったカラハナソウ
東北の野山を歩くと、道沿いの木々の上に、ツル状のビールの原料のホップと思われる実が生っています。
ホップの原種に違いないと思いました。
マツカサのようでホップそのものの風情なのです。
それがカラハナソウです。
実際に使われるホップはヨーロッパから入ってきたのものです。
日本では各ビール会社が農家に委託して栽培しています。
ホップ生産は東北が中心で岩手、秋田、山形県の順で生産量が多いと言われています。
山形の季節の風物詩として、ホップの刈取りの場面がテレビ放映されていたのを覚えています。
そのマツカサのような実は、日が経つにつれて表面が枯れてきます。
秋になって枯れたカラハナソウを1枚1枚剥がしていったら、根元に小さい果実がありました。
そのマツカサのような1枚1枚の薄い皮が、風に飛んでいくのでしょう。
6年前にカラハナソウの文章を書いたときには、カラハナソウとホップは別種と書きました。
カラハナソウにはビールの元の苦みや香りはないように記したのです。
最近見かけた「カラハナソウ 素人植物図鑑」には、「ヨーロッパ原産のホップ(セイヨウカラハナソウ)はカラハナソウの母種に当たり、北海道や東北地方でよく栽培されている。栽培されるのは雌株のみで、~中略~ カラハナソウの雄花がホップの近くにあると、誤って受粉しないようにすぐさま駆除される。ホップは単に苦みや香りのためだけでなく、泡立ちを良くする、雑菌の繁殖を抑える、過剰なたんぱく質を分離してビールを清澄にするなど、まさに『ビールの命』とよばれるのに相応しい働きをする。」と述べられています。
根元の果実は球形で、その周りが線状で黄色い点状のものがついています。
それがビールの苦みや香りの元になるようです。
カラハナソウの母種がホップ(セイヨウカラハナソウ)だとすれば、性質そのものは多少とも遺伝しているはずです。
カラハナソウを使って、ビール作りをした人もいるようです。
「カラハナソウでビールを作る『大人の実験室』」で、作る工程として
①採取したカラハナソウを外で陰干しする ②カラハナソウを洗う ③鍋で麦茶を作る ④麦茶を煮出したら過熱を終了し、カラハナソウを投入 ⑤冷めたら濾す ⑥他の材料を入れる 砂糖、酵母、乳酸菌 ⑦攪拌 ⑧発酵 ⑨試飲
で行っています。
試飲した結果は「ホップほどの香りはないが、適度の苦みがあり、ちょっと身体が温まる発酵飲料という結果に終わった」と述べています。
ビールの雰囲気は経験できたようです。
これを知ると、やっぱりカラハナソウはホップの仲間なんだよなと思ってしまいました。
本当かなー。
(イラクサ目 アサ科 カラハナソウ属)
カモ撮りこうちゃん
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