思い違いしていたヘラブナの産卵
永和駅の傍には小さな沼があります。
昔は産業廃棄物が捨てられて沼にも周りの雑木林にも残骸が今でもたくさんの残っています。
そんな沼にもミシシッピーアカガメ、コイ、ライギョなどが住んでいます。
春先には沼でカルガモが子育てしています。
4月初旬の好天の日に、雨で水があふれだした浅瀬になった場所でコイの産卵風景を見かけました。
それから2週間ぐらい経って沼の脇を通ると、また産卵する光景を見かけたのです。
前日に雨が終日降っていました。
その魚はコイではなくヘラブナ(ゲンゴロウブナ)でした。
どれも立派なヘラブナで浅瀬で産卵していました。
産卵といっても具体的なことは水中なので分かりませんが、オスが産卵を促して激しく絡み合っている様子から産卵だと予想されます。
浅瀬過ぎて体が横になってしまって動けなくなっているヘラブナもいました。
近くにあった竹を使って戻そうとしたのですが上手くいきませんでした。
この様子を見てヘラブナも産卵するのは命懸けなんだなと思いました。
沼の先にある水を張った田植え前の田んぼを通ろうとすると、泥水の中にたくさんのヘラブナが泳いでいました。
その水辺でヘラブナが絡みあっています。
泳ぎ回っている中に数尾が並走しているのは産卵前の行動だからでしょう。
田んぼから延びる浅い小さな水路でもバシャバシャと絡み合っています。
この辺りで見かけたヘラブナの数は200尾以上でしょうか。
大きさは25㎝前後くらいあります。
スーパーで売っていたヘラブナは1尾300円位だったと思います。
そんなたくさんのヘラブナがあの小さな沼にいる筈はありません。
沼からこの田んぼまでの距離の長さとヘラブナの数を考えると、私の考えが間違っていたのではないかと思うようになりました。
関西線の土手下には沼まで、日光川からの用水路があります。
大きくない水路ですが、そこを通って水田や沼に入り込んだのではないかと考えるようになりました。
善太川のナマズも増水して水嵩が増えると、浅瀬に産卵のために登ってきます。
同じように前日の雨で日光川から用水路を上って田んぼ内に入ってきたのではないかと思われます。
体が立たずに斜めになって泥水の中を泳ぎまわっているのです。
その田んぼは天気が良くなると干上がってしまうような場所です。
産卵して稚魚が孵っても水嵩が減れば、用水路に戻れずに田んぼの水溜まりに閉じ込められてしまいます。
結局はシギやカラスの餌食になるでしょう。
無駄なことに命をかけているのではないかと思ってしまいました。
(コイ目 コイ科 フナ属)
カモ撮りこうちゃん