現代風でもスマートでもないヨツボシトンボ
トンボのことが分かってくると、トンボの成虫が発生する時期が種類によって決まっていることに気づくようになりました。
ギンヤンマやシオカラトンボは、割りと長い期間発生し続けているので、見かけることも多く馴染み深いトンボとなっています。
ハラビロトンボは6月中旬から7月初旬、チョウトンボは7月末から8月上旬に発生して、そのほかの時期には見たことがありません。
せいぜい3週間程度です。
こうした発生時期が決まっているトンボの仲間にヨツボシトンボがいます。
天童にあるヘラブナ釣りの名所、原崎沼には周囲に未舗装の遊歩道があります。
私は土日にその遊歩道を歩いて、動植物の写真を撮っていました。
沼の南側に「網張の里」と書かれた表示板がある叢(くさむら)があります。
その中央に山からチョロチョロ流れてきた谷川を集めた小さな池があります。
その水は原崎沼に入り込んでいるようです。
その池には放流されたメダカがいます。
天童メダカかと思っていましたが、その後ヒメダカを見かけるようになって、天童メダカではないと判断しました。
6月中旬にその「網張の里」に出かけたら、その池の周りに見慣れないムギワラ色のトンボが飛んでいました。
止まった時に翅をみたら、4枚の翅の前縁の真ん中に黒い点があります。
私はベッコウトンボではないかと心躍らせて写真を撮りました。
このトンボは落ち着きなく飛び回り、他のトンボが来ると追いかけ回して、写真に撮れません。
それでも枯れ竹の先に止まったものを何枚か撮りました。
当時は簡易デジタルカメラなのと撮影技術も未熟だったので、上手く撮れた写真はほとんどありませんでした。
そのヨツボシトンボは6月下旬には見かけなくなりました。
この池に産卵しヤゴになって翌年成虫になることを繰り返しているのでしょう。
翌年の6月半ばに出かけたら、ヨツボシトンボがやはり発生していました。
この池を媒介にして毎年発生していると思われます。
見かけた人が捕らないことを祈るばかりです。
ヨツボシトンボは武骨で短足のトンボのイメージです。
魅力的なトンボとは言えませんが、それでも翅の真ん中の黒い点が魅力といえば魅力です。
蟹江に帰って知り合いになったSさんはトンボ蒐集をしていますが、ヨツボシトンボは蒐集できていないとのことでした。
私は名古屋市西区の庄内緑地、いつも歩く永和で偶然見かけました。
どちらも1回だけです。
全国的に分布しているようですが、原崎沼のように数は多くないのではないかと思われます。
また天童の原崎沼にヨツボシトンボの写真を撮りに行けたらと願っているところです。
(トンボ科 ヨツボシトンボ属)
カモ撮りこうちゃん