ヘラのような大きな嘴のハシビロガモ
カモの中で大型なのはカルガモとマガモですが、同じ位の印象を受けたのです。
ハシビロガモを初めて見たのは海津市の長良川に流す排水機場前の沼でした。
この沼には長良川のカモたちが採餌や休憩のためにやってきます。
ハシビロガモの他にコガモ、オカヨシガモ、キンクロハジロやオオバンなどが見られます。
初めてハシビロガモを見た時はびっくりしました。
というのは異様に嘴(くちばし)が大きく、しかもヘラのようだったからです。
そのため大型のカモのように見えました。
実際は中型のカモです。
でも見ているうちに、チャーミングに見えてくるから不思議です。
このカモのオスの生殖羽の色合いは奇抜で個性的です。
ヨシガモのような優しい色合いでなく、単色のはっきりした色合いの組み合わせになっています。
嘴は大きく黒っぽく、腹の上は白く下が茶色です。
頭は緑で目の虹彩が黄色で目立ちます。
見た目がどんなであろうと、メスに対するアピールができれば良いのですから、人間がとやかく言う筋合いではありませんね。
メスも嘴がヘラなところは共通です。
遠くからでもハシビロガモは他のカモと区別することは割りと簡単です。
ハシビロガモはシベリアやカムチャッカ半島から越冬のためにやってきます。
10月末に海津市のこの沼で見かけるようになります。
3月末頃まで周辺の用水路にいます。
コガモほどではありませんが、遅くまでいるカモだと思います。
このハシビロガモの面白いところは、他の草食性のカモとは違い、水面で嘴を開けてプランクトンを濾し取って採餌することです。
それぞれが勝手に水面に顔をつけて採餌していることもありますが、集団でグルグル回りながら採餌していることもあります。
2月上旬に蟹江のウォーターパークで、10羽前後のハシビロガモが集まって、円を描くように回りながら採餌していました。
この集団は10日間ほど見かけました。
最初は集まってグルグル回りながら何をしているのだろうと思いましたが、プランクトンを一か所に集めて嘴で掬い取って採餌していたのです。
ということは嘴の周辺にプランクトンを濾し取る仕組みがあるのではないかと考えいます。
ナガスクジラなどのヒゲクジラがオキアミを口に入れて海水を吐き出す仕組みのようなものです。
まだ調べていませんが、きっとあるはずだと予想しています。
ほんとかなー?
カモといっても色々な種類と習性を持っていて多様なのだなあと感心してしまいました。
(カモ目 カモ科)
カモ撮りこうちゃん