ソメイヨシノはサクラの花の中でも新参者らしい!

ソメイヨシノの花のいろいろ

ソメイヨシノの満開の様子

サクラといえば、小さい頃からソメイヨシノがサクラそのものだと考えていました。

仙台の大学に行くまで、ソメイヨシノしか知りませんでした。

春になって花見に行く場所の多くはソメイヨシノの花です。

5~6年前の4月初旬に吉野の千本桜を見にいった時は、ソメイヨシノではなく、エドヒガンやシダレザクラなど古いサクラだったように思います。

ソメイヨシノは江戸時代(一六〇三年~一八五八年)中期から末期に園芸の盛んだった江戸郊外の染井村(現在の東京都豊島区駒込)で誕生しました。

植木職人が挿し木や接ぎ木で増やし、売り出したといわれ、明治時代以降に広まったのです。

ソメイヨシノによる花見はここ百五十年のことなのですね。

平安時代は私が好きなヤマザクラが中心だったようです。

また秀吉の醍醐のサクラは、シダレザクラ(エドヒガン系)だと思われます。

また一七〇〇年代半ばの徳川吉宗の植えたといわれる飛鳥山のサクラは、サトザクラ、ヤマザクラ、エドヒガンなどと言われています。

当時は園芸家による品種改良も行われていたこともあり、シダレザクラやヤエザクラなどもあったと推測されます。

これらのサクラの殆どは小型の花をつけるものが多く、ソメイヨシノはその点で人の目を引く大きなサクラで、しかも成長が早いサクラだったのです。

ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種です。

一時ソメイヨシノの起源は韓国の済州島ではないかという説がありましたが、一九六〇年代になって、エドヒガンとオオシマザクラの雑種説が定着し、済州島のエイシュウザクラと、日本で栽培している染井吉野は異なることが分かりました。

またDNAの鑑定技術が進んで、ソメイヨシノの葉緑体DNAから、母親はエドヒガンだと考えられています。

また父親はオオシマザクラだとも確認できたようです。

こうした科学の進歩による検査法で、これまで分からなかったことが解明されていっているのです。

ところでソメイヨシノの花があれほど咲きメジロ、ヒヨドリ、クマバチ、アシナガバチなどがやってくるのに、長い間、殆ど実が出来ないことが理解できないでいました。

最近になって、その理由がバラ科の自家不和合性だからでないのかと思いつきました。

リンゴ、ナシやサクランボなども自家不和合性なので、他の種のものを近くに植えておく必要があります。

近くにエドヒガン、ヤマザクラなどの木を植えておけば、きっと実が生るのではないかと考えています。

本当かなー!

(バラ科 サクラ属)

カモ撮りこうちゃん