ギフチョウを探しに行ったけど
奥羽山脈の麓にある東根市周辺で、春になるとヒメギフチョウを見かけていました。
ギフチョウの発見後に異種であるヒメギフチョウが確認されたので、いつかギフチョウを見たいものだと思っていました。
3月1日の中日新聞に「その美しさから『春の女神』と呼ばれるギフチョウが二十八日、岐阜県大宮町の名和昆虫博物館で羽化した。」と載りました。
1週間後に岐阜公園内の昆虫博物館に出かけました。
プラスチック容器に数匹が羽化していましたが、食草のカンアオイの鉢とたくさんの蛹も見られました。
チョウたちには桜の花が入れてあって吸蜜させるようにしてありました。
そこで何枚か写真を撮りました。
帰りがけに係員に「野生のギフチョウを撮りたいのですが、養老山地にはいるのですか。どこに行けば見られますか。」と尋ねると、「養老山地にはいません。伊吹山や谷汲山の方に行けば見られるかもしれません。」と応えてくれました。
私が「東北でヒメギフチョウを見ているので、野生でいるギフチョウを見たいのです。」と応えましたが、ヒメギフチョウについては知らない様子でした。
その後伊吹山に出かけて周りを散策しましたが、ギフチョウがいる様子は見られませんでした。
仕方なく関ケ原の古戦場を見学して帰りました。
次に谷汲山に揖斐川沿いに行きました。
谷汲山の華厳寺参道の茶店で「ギフチョウを見かけませんか。この辺りにカタクリが咲くところがありますか。」と尋ねると、「今年は見かけないが、毎年参道の花に蜜を吸いに来るよ。カタクリはイノシシやクマに根こそぎやられてこの辺りにはなくなった。」と応えてくれました。
町内にある「揖斐川町昆虫館」に寄ると、ギフチョウの写真がたくさん展示されていました。
この辺りでは今でも見られるようです。
ギフチョウは、名和靖が御嶽山の東麓の下呂市で初めて見つけたといわれています。
テレビで御嵩町のある高齢者が「ギフチョウの蛹を取りに山に入っていた。」と話しているのを見ました。
山沿いの里山付近にいるのではないかと思われますが、ヒメギフチョウに比べると数が少ないのではないかと思ってしまいました。
ギフチョウとヒメギフチョウの棲み分け線を「ルードルフィアライン」と呼んでいます。
幼虫の食べる食草が違っています。
ギフチョウはカンアオイ、ヒメギフチョウはウスバサイシンで、共にウマノスズクサ科の植物です。
この植物分布に従って両者の分布が異なっているようです。
形態の違いは、表翅の上の翅の先端の白い線の先が折れるのがギフチョウで、折れないのがヒメギフチョウです。
後翅の点模様が橙なのがギフチョウ、黄色いのがヒメギフチョウです。
見慣れてくれば区別は可能ですが、最初は私もチンプンカンプンでした。
(アゲハチョウ科 ギフチョウ属)
カモ撮りこうちゃん