永和の沼のヌートリア
蟹江周辺には川や沼には必ずヌートリアがいます。
この地方ではしっかりと生態的な位置を占めているようです。
ヌートリアとカピバラは似ていて、カピバラは可愛いと評判になって人気者の動物です。
ヌートリアはそれより小さく尻尾があり、ヌートリアを見ると可愛いと思う人がいてニンジンなどの餌を与えたりします。
カピバラも逃げ出せば、きっと害獣となるでしょう。
関西線の永和駅北側に小さな沼があります。
その周りは田んぼです。
昔、産業廃棄物を廃棄された場所で、雑木林や沼も自転車、土管やタイヤなど廃棄物で見るに堪えない状況です。
そんな沼にも、コイ、ライギョ、ナマズ、ブルーギルとミシシッピアカミミガメが住んでいます。
この沼は関西線のすぐ脇にあり、線路と沼の間はヨシ原があり人が入れません。
ヌートリアはその沼に昔から住みついていて、1年に2~3回出産し増えています。
ヌートリアの巣はヨシ原にあって、ビーバー同様に潜って巣に入ります。
ヌートリアはネズミと同じ齧歯(げっし)類で草食性です。
周りの田植え後の苗の根を食べてしまいます。
そのため田んぼに大きなすき間ができて、農家の人は困っています。
沼の近くで、農家の人と偶然会って話をしました。
「毎年の大きなネズミ捕りを仕掛けてヌートリアをとっています。大体5~6頭は捕獲しますが、去年は4頭でした。ヌートリアは学習能力が高く同じネズミ捕りに入らなくなるのです。」と話してくれました。
このネズミ捕りは津島市が設置して6月中旬から9月中旬の3か月に限られています。
なぜその期間なのか、理由はわかりません。
6月26日に2つの仕掛けそれぞれに入っていました。
1つは子どもでした。
何度も沼に通っている私には初めての経験でした。
その後、草刈りをしている人と話す機会がありました。
私が捕獲したヌートリアの始末を尋ねると、「津島市の動物センターに送って、窒素ガスで殺しています。今は動物愛護の問題で苦しまないようにしているようです。」と応えてくれました。
私はなぜかアウシュビッツのユダヤ人虐殺を想い出してしまいました。
この沼に子どものヌートリア1頭だけになりました。
沼を泳いだり陸で草を食べている光景を見かけます。
ある夏の日、関西線沿いの畔で動物の死骸を見かけました。
タヌキかと思いましたが、前歯が2本並んでいるのでヌートリアだと判断しました。
ヌートリアは橙色の前歯が印象的で咬まれると重症化すると思われます。
野生で生きるためには、人の仕掛けばかりでなく、自然の厳しさを切り抜けていかなければならないのだなあと感じてしまいました。
(ネズミ目 ヌートリア科 ヌートリア属)
カモ撮りこうちゃん