ハッチョウトンボ(国内最小)が警護産卵していた
ここ数年1年に1日だけ渥美半島の田原市のハッチョウトンボの生息地(県指定天然記念物)に写真を撮りに出かけています。
愛知県の西から東の端までなので110㎞ほど離れています。
高速道路を使っても2時間強かかります。
今年もハッチョウトンボがいてくれるかなと思いながら出かけていきます。
駐車場に車を停めて、狭い湿地の木道を歩いて行くのですが、すぐにはハッチョウトンボがいるかどうか分かりません。
小さすぎてすぐには分からないのです。
探すとやっと見つけられる感じです。
スズメバチかアブ位の大きさで、しかも体が細いので分かりにくいのです。
今年は木道に入りかけると叢の葉の先に麦藁色のハッチョウトンボのメスがとまっていました。
何枚か写真と動画を撮りました。
撮ってから木道を歩いていくと、水がちょろちょろ流れている浅い湿地に赤いハッチョウトンボが葉の先や枝の先にとまっています。
オスは赤いのでメスに比べると探しやすいのです。
そのオスたちは飛んではせめぎ合いをしています。
縄張り争いをしているようです。
メスはその湿地の中にもいますが、オスほどには見つけられません。
メスは湿地の周りの叢の葉の先や葉にとまっていることが多く、成熟していないからか、産卵中の休憩からかは分かりません。
ほとんどのメスは暑さを避けるために逆立ちしていました。
暑さを避けるために逆立ちするのはウチワヤンマ、ショウジョウトンボにも見られる行動です。
ギンヤンマ、シオカラトンボ、コフキトンボには見られません。
暑いときは草や枝の日陰側にとまって直射日光を避けています。
ハッチョウトンボは逆立ちする仲間のトンボのようです。
最初の年に来た時、オスとメスの連結態を見かけました。
写真には撮れませんでした。
いつかその場面を撮りたいと思っているものの、それ以降は見かけていません。
今回は産卵場面を見かけました。
メスが水面上で打水産卵していました。
その上空をオスが警護していました。
急いで何枚か写真を撮ってから動画を撮りました。
残念ながら動画は警護産卵している後半しか撮れませんでした。
産卵後メスが枝先にとまると、離れた枝にオスがとまってメスの様子を見ていました。
国内最小のハッチョウトンボも警護産卵するんだなぁと思ったのです。
こんな小さいトンボにもシオカラトンボやコフキトンボと同じ習性があることに驚きました。
ハッチョウトンボは数も少なく生息地も限られています。
これからも生息し続けてくれたらと願っています。
(トンボ目 トンボ科 ハッチョウトンボ属)
カモ撮りこうちゃん