ヤブガラシはアオスジアゲハと親和性が高いようだ
小さい頃、夏にはアオスジアゲハを見かけていました。
飛翔スピードが速く捕まえるのが難しいチョウで、今でも写真をなかなか撮れないことが多いのです。
今でもアオスジアゲハが樹木の上に被さっているヤブガラシの花の蜜を吸っている光景を想い出します。
なぜアオスジアゲハとヤブガラシが一体となったイメージなのか長いこと分かりませんでした。
ヤブガラシはツル性ブドウ科の植物で、花は散房状の集散花序をつけます。
橙色の色合いの花が緑っぽい花に混じってたくさん咲きます。
私はこの橙色の色合いが好きではありませんでした。
理由は今でも分かりません。
ノカンゾウ、ノウゼンカヅラやフシグロセンノウの橙色の花を見ると、今でも好感が持てないでいます。
ヤブガラシは名前の通り、樹木の上などに被っているので、光合成しようとする樹木の邪魔をしていることになります。
このように樹木の上や叢に群生している仲間にはクズ、カナムグラやアレチウリなどがありますが、樹木の上まで覆いかぶさっているのはクズとヤブガラシだけではないでしょうか。
ウィキペデイアのヤブガラシには「多年草。道端、林縁、荒れ地などに生え、市街地では公園のフェンスなどによく絡まっている。つるの長さは2ないし3メートル。葉と対生する巻きひげが伸びて他のものに巻きつき、覆いかぶさって葉を茂らせる。~中略~ 花は葉と対生する散房状の集散花序につき6~8月ごろ徐々に開花する。花は直径約5ミリメートルで薄緑色の花弁4枚と雄蕊(ずい)が4本雌蕊が1本ある。花弁と雄蕊は開花後半日ほどで散ってしまい、白色の雌蕊が中央に立った直径3ミリメートルの橙色の花盤(盤上の花托)が残る。この花盤は蜜が豊富で、蜂や蝶などの昆虫がよく集まる。多くの花が咲くが、他家受粉でしか結実できないため、種は少ない。」と記されています。
ヤブガラシの実は黒っぽいのですが、最近まで分かりませんでした。
熟すと黒い実ができます。
ブドウ科なのでブドウのような様相です。
「EVERGREEN植物図鑑」には「果実は黒く熟す液果ですが、結実する個体は西日本に多く、東日本にあるものが結実するのはまれです。」と記されています。
東日本では地下茎を介して増えているのでしょうね。
アオスジアゲハとヤブガラシの親和性ですが、アオスジアゲハの口吻が他のチョウより短いようなのです。
そこで花弁がないヤブガラシは蜜を吸うのに最適だったのです。
観察していると、他にシロツメクサ、ノブドウやナンキンハゼの花にも吸蜜に来ています。
蜜が花の奥でなく、アオスジアゲハの口吻の長さで対応できる花たちです。
小さい頃の光景には意味があったのだと、時間が経った今になって分かったのでした。
(ブドウ科 ヤブガラシ属)
カモ撮りこうちゃん