ベニイトトンボがまた共食いしていたけど!
オスの胸を食べ終わりそうなベニイトトンボのメス
食べ終わりもぐもぐタイム
捨てられたオスの尻尾
ベニイトトンボのあれこれ
自宅の狭い庭でベニイトトンボが7年間ほど発生しています。
2023年は6月初旬に数匹発生し出してから8月下旬までに100匹近く発生しています。
狭い庭のあちこちにオスは狭い縄張りを作っているので目立つのですが、メスは余り見かけないのです。
それでも交尾態や連結態で産卵している様子を見かけるので、メスは羽化しても植物の葉の間や隣の無住の家の庭にいる可能性があります。
ベニイトトンボのオスとメスの発生割合が同じだと考えると、オスの数と同じだけのメスが、自宅の庭周辺のどこかにいることになります。
数年前に庭に出てみると、大振りのベニイトトンボが小振りのベニイトトンボを咥えていました。
体色が赤なので両方ともベニイトトンボのオスだと思われます。
ベニイトトンボの縄張りは狭いので、その縄張りに他の個体が近づくと飛んでいって攻撃し合っているのを見かけます。
そんな場面を何度も見かけていたものの、同じ種のオスを餌にすることは予想していなかったので驚いてしまいました。
庭には小さなハエやアブやカ(蚊)もいて食べ物になる昆虫は沢山いるのに、同じ種のベニイトトンボを狩っていたのです。
私が近づくと咥えたまま飛んで移動していきました。
獲物を絶対離さないぞという雰囲気でした。
同じ種のオスを餌として見るサインは何なのか、とても気になるところです。
相手がメスの場合でも同じ行動をするのでしょうか。
2023年8月に庭に出ると、今度はベニイトトンボのメスが何かを咥えていました。
最初はオスとメスの連結態かと思ったのですが様子が違い、メスが口でトンボらしいものを咥えているようだったのです。
よく見るとベニイトトンボのオスでした。
そのオスはメスの体長に較べてかなり小さかったのです。
一般的に動物の中にはメスの方が大きく、オスが小さいものがいます。
クモやアンコウなどは極端にそうした傾向があると言われています。
このベニイトトンボのメスはオスを咥えたまま口を動かしていました。
少し経つと飛び立って近くの葉に降りましたが、その時にはもう咥えてはいませんでした。でも口をもぐもぐさせていたのです。
そして餌食になったオスの尻尾は庭の端に落ちていました。
頭と胸を食べ尽して尻尾は食べなかったようです。
私が見かけたベニイトトンボの2例の共食いでは、食われているオスは体長が小さいことが共通しています。
また両者ともオスでした。
カマキリやクモのオスは命がけでメスと交尾すると言われていますが、そのどちらもオスはメスに較べて小さいようです。
いつも餌にするハチ、カやハエは自分の体長に較べて小さいものばかりです。
そんな体長の小ささが、同種のオス刺激としてよりも餌刺激の方が優先されてしまった可能性が高くなったのではないかと思われるのです。
本当かなー。
(イトトンボ科 キイトトンボ属)
カモ撮りこうちゃん