ケリの威嚇行動の理由が分かった気がする!

車を威嚇するケリ

アスファルト道路脇のケリの卵(3カ所とも同じような場所)

春になって蟹江周辺の田んぼの農道を車で走ると、ケリが激しく威嚇してくるのに出会います。

車を停めると近くまでやってきて、羽を広げ前かがみになりながらキーキーと激しく鳴きたてます。

また飛翔しながら目の前まで来て、反転していく場合もあります。その威嚇行動の激しさから、知人の女性は怖くて車外に出られないと話していました。

また威嚇しているその顔はしわくちゃで形相が怒りに満ち満ちているのが分かります。

近くで抱卵しているか、ヒナがいるのだろうと考えていました。

それらを守るために威嚇してくるのは当然だからです。

産卵前ではケリの番いを見ても威嚇してくることはなく、車が近づくと逃げていきます。

産卵して抱卵や育雛時期になると激しい威嚇行動をするようになるのです。

ケリの産卵場所は田んぼ間の畔の叢だろうと思っていました。

その近くの農道に車を停めるから威嚇してくるのだろうと思っていたのです。

ところが先日飛島村の田んぼの間を通るアスファルトの農道のすぐ脇に、ケリが砂利の上にうずくまっているのを見かけました。

休憩でもしているのかと思ったのです。

それでも私が車を近くに停めると逃げ出しました。

その砂利の上に4個の卵が産んであったのです。

巣らしい雰囲気ではなく石ころだらけの上にです。

それを見てとても驚きました。

アスファルトの農道脇なのですから。

農道は車がときどき通ります。

こんな道路脇に産卵するなんて危険でないかと心配してしまいました。

コアジサシは河川敷などの砂利に産卵すると聞いていますが、この産卵の様子を見てケリも同じかもしれないと思い始めました。

そこで例年激しく威嚇行動をするケリがいる場所に行ってみました。

すると案の定、威嚇されたのですが、車を停めてアスファルトの農道を少し歩いていくと道路脇に巣がありました。

その巣は簡単に草を敷いた巣で、3個の卵が産んでありました。

この2つの例から、ケリの営巣は畔の叢ではなく、アスファルトの農道脇ではないかと考えるようになりました。

巣が余りにも道路近くだったのです。

その巣の様子を素早く写真に撮って、ケリが抱卵放棄しないようにそそくさと車に乗り発進しました。

翌日になってその威嚇された農道の先でもケリが威嚇してきました。

車を降りてその道路に沿って歩いてみると、やはり道路脇に2個の卵がありました。

親たちはその近くで様子を窺っていました。

頻繁に農作業する車などが通り、時には散歩する人もいるのに、そんな道路脇で営巣と抱卵していることに驚きました。

刺激しないように車に乗り発進したことはいうまでもありません。

「ケリは道路脇で営巣し産卵する」という規則性を作り上げてしまいました。

(チドリ目  チドリ科)

カモ撮りこうちゃん