昔は山でホトトギスを見かけたものだけど!

10月21日に福原輪中で見かけたホトトギス

11月16日にいわきで見かけたホトトギス

数年前の9月5日に見かけたヤマジノホトトギス

春になって鳴き声が聞かれる鳥のホトトギスではなく、ここで取り上げるものは植物のホトトギスです。

東北でも蟹江でも民家の庭や畑にホトトギスが植えられていて、秋になると花を咲かせます。

なかなか風情のある植物です。

民家に植えてあるホトトギスは園芸種で、枝につく花の数も多く艶(あで)やかな感じを受けてしまいます。

園芸用の草花全てが派手な色合いや形を持っているものが多く、私などは見ると疲れてしまいます。

昔の日本文化の節度ある美しさとか清楚さは、地味で存在価値がないものと考えられるようになってしまっているのかも知れませんね。

昔は宮城県村田町の丘陵地帯の叢をかき分けて進んでいくと、野生のホトトギスが咲いていました。

それを採って家に帰り一輪挿しに活けると、とても映え風情があったものです。

でも今ではそうした野生のホトトギスも見かけなくなってしまいました。

10月下旬に愛西市の福原輪中の中を歩いていたら、畑にホトトギスが植えられていて花が咲いていました。

その花はやっぱり艶やかなものでした。園芸種だからでしょう。

その後でかけた旅行で、いわき駅北側の平城址付近の民家にもホトトギスが咲いていました。

その花は福原輪中のものよりは、花がばらついていて落ち着いたホトトギスでした。

私はやっぱりそんな野生を感じるホトトギスの方が好きだなぁと思ったものです。

2021.9.14のblog「東北でよく見かけたヤマジノホトトギス」では、このホトトギスとは違ったホトトギスについて書きました。

清楚だけれども存在感がある白に紫の斑点のある花を咲かせるホトトギスです。

天童周辺の山道の脇の叢などには良く生えていました。

随分昔、蔵王の山道で黄色い花を咲かせたホトトギスを見かけました。

とても印象に残っていて、今でもその時の光景を想い出すほどです。

10月の福原輪中で、自転車の高齢者の女性が荷台にホトトギスを乗せて走ってきました。

咄嗟に「ホトトギスですね!」と声をかけると、嬉しそうに頷きながら遠ざかりました。

なぜかその光景も覚えているのです。

このように同じホトトギスといってもその実体は変化しているのですね。

満月、半月、上弦、下弦とその実体は違っても、同じ月と考えているのと同じですね。

ホトトギスを見ると、そんなホトトギスに出会った頃の昔の自分に出会うような感じを受けてしまうのです。

とても不思議ですー。

(ユリ科 ホトトギス属)

カモ撮りこうちゃん