ケリはタゲリを受け入れるようになったのかな?
土起こしした畑で一緒に餌を探すタゲリとケリ
タゲリ
ケリ
12月頃、飛島村の畑や田んぼ跡に冬鳥のタゲリの群れがやってきます。
見かけたのは3年ほど前からで、それ以前はどうだったのかは分かりません。
見かけてから1週間ほどは見なかったので、他への移動中に寄ったのだと思っていたのです。
蟹江周辺には留鳥のケリがいます。
冬になると番いになって春の繁殖期に備えるようになります。
その時期には縄張りも作るようです。
そこへ冬鳥のタゲリの群れがやって来て、ケリの縄張り内に入り込んで来ると、排除しようと威嚇したり追い立てたりします。
タゲリを見かけた3年ほど前は、縄張りに入り込んできたタゲリを追い払っていました。
あるケリは畑にタゲリが降りている群れの真ん中を横断しながら様子を見ていました。
横断前には、じっと畑の端でタゲリの群れの様子を窺っていたのです。
タゲリの方はケリの様子を窺ったり気にしている様子は全く見られませんでした。
ケリからすれば見ず知らずの部外者が縄張りの畑や田んぼ跡に入り込んできたのですから威嚇したり攻撃するのは当然でしょう。
3年前はそんなケリとタゲリの関係だったのです。
その後ケリとタゲリの様子を観察していると、だんだんとケリはタゲリを受け入れるようになってきたように見えます。
畑でトラクターが土起こしをしていると、ハクセキレイ、タヒバリ、ツグミ、ムクドリなどと一緒に、ケリとタゲリがミミズや昆虫の幼虫などを探し回っていました。
小さい子供の仲が悪くても、同じ場面でおもちゃで遊んでいるとき、それぞれの気持ちがおもちゃに向かっているので、子ども同士に喧嘩やいじめが起こらない場合が多いのです。
それと同じように、餌採りに夢中になっているときには、ケリもタゲリを追い払うよりも餌の方に気が向いているのではないかと思われます。
その後ケリとタゲリが畑で共存しながら餌採りしている光景を見かけるようになりました。
最初見かけたケリのタゲリに対する威嚇行動や攻撃行動を見かけなくなりました。
ケリはタゲリの存在をだんだんと認めるようになってきたと思われます。
今では土手でタゲリの近くでケリを見かけることも普通の光景になってきました。
私の印象では、タゲリは最初からケリを意識しているようには見えませんでしたが、ケリの方は何年間に亘ってタゲリを見ているうち、その存在を受容するようになったのだと思われます。
ケリが攻撃していたのは繁殖期に向かう番いの時期だったからかも知れませんね。
これも数年間に亘っての学習の結果だろうと思います。
ケリはそんな心理的葛藤が乗りこえて今のケリとタゲリの関係ができ上ったのだと思われます。
とても面白いなぁと思ってしまいました。
(チドリ目 チドリ科)
カモ撮りこうちゃん