臆病者のアオジとカシラダカは避難行動では違いがある!
アオジ
カシラダカ
ジョウビタキ
タヒバリ
歩き回って野鳥を観察していると、どの野鳥も周りを警戒して生活しています。
猛禽類のハヤブサでさえ電柱でハトを啄んでいるとき、警戒しながら啄んでいました。
ミサゴも同様で、カラスが魚を奪いに来るのを警戒しながら啄んでいます。
野生動物はいつも警戒しながら生活しています。
天敵に襲われて死に至る可能性が高いので、危険を感じるとすぐその場を離れたり飛び去りします。
天敵などが近づいて危険を感じて逃げていく距離をE.Hallは逃走距離と言っています。
この逃走距離は種によって違いますが、逃走距離(範囲内)に天敵が入ってくると逃げていくのですね。
蟹江周辺ではジョウビタキ、タヒバリ、アオジ、カシラダカが冬鳥としてやって来ます。
アオジは国内北部からなので漂鳥ですが、他の3種は海を渡ってやってくるようです。
ジョウビタキはヒタキ科、タヒバリはセキレイ科、アオジとカシラダカはホオジロ科です。
秋から初冬にかけてこれらの野鳥を土手などで見かけるようになります。
ジョウビタキの逃走距離は割りと短く、タヒバリはそれに比べると長いようです。
この2種は人を見かけると逃げ出しますが、歩いていく前方にまた降りることが多いのです。
近づくと前方に降りることを繰り返します。
ジョウビタキのその行動は可愛いと思わせるものがあります。
アオジとカシラダカは逃走距離が長くて、逃げるときには前方ではなく、脇にある木々やブッシュの中に隠れます。
カシラダカは近くの木々の枝に逃げていきます。
そしてさらに危険を感じると奥の木々に移動していきます。
アオジはそうした行動をとらずに、ブッシュの中に隠れます。
木々にとまることは余りしません。
カシラダカとアオジで避難場所など習性も違っているようです。
仙台の知人宅の餌台にもアオジがやって来ていました。
でも餌台に上がっている姿は見たことはありません。
餌台の下の地面で餌採りをして、危険を感じるとすぐ竹藪の中に逃げ込んでしまうのです。
また蟹江日光川土手脇の藪の中にもアオジがいて、藪の中を移動していました。
なかなか道路には出てきてくれません。
カシラダカは1羽でいるよりは群れで行動している印象です。
それに比べるとアオジは単独行動しているようです。
でも北に帰るときは群れるはずですが。
先日弥富市善田川の土手下でカシラダカとアオジが混群で餌探しをしていました。
昨年もそうした場面を見かけました。
この両者の親和性が高いと思われます。
似たような野鳥でも、その習性は違っているのです。
その行動を見てどの種かを同定することもできるのです。
野鳥の行動を通して、色々な自然の世界を学ばせて貰っているなぁと思っているところです。
(スズメ目 ホオジロ科)
カモ撮りこうちゃん