4月の田んぼでヘラブナ(ゲンゴロウブナ)の無残な姿を見た

産卵するヘラブナ

ヘラブナの死骸

ヘラブナの卵

カラスがヘラブナの死骸を啄む

田んぼに取り残されたヘラブナ

救出したヘラブナ

蟹江の日光川にはコイ、ヘラブナやナマズが生息します。

永和の沼にもヘラブナが住んでいます。

4月下旬になるとヘラブナが産卵するようになります。

他の魚も同じですが、水辺の浅瀬にやってきて、オスとメスが激しくのたうち回りながら産卵します。

浅いので成魚はまっすぐ立てずに横向きになって泳いでいることもあります。

4月下旬に大雨が降って、日光川と繋がる土でできた用水路の水が溢れるようになると、その水が田植え前の田んぼにも入って一面水浸しになります。

その時一緒に上がってきたコイ、ヘラブナやナマズも田んぼに入り込んでいきます。

産卵するためです。

昨年の春は一時かなりの雨が降って、たくさんのヘラブナが田んぼに入り込みました。

しかし今年(2022年)の春は雨が少なく、また農業機械で土手を高くしてしまったので田んぼにヘラブナが入れなくなってしまいました。

ナマズは数匹取水口から入ってきたのを写真と動画に撮りました。

昨年春は田んぼに入ったヘラブナが、天候が良くなり水が干上がるにつれて用水路に戻れずに田んぼに取り残されました。

その数数百匹という規模だと思います。

2021.4.24づけのblog「ヘラブナの救出作戦をやってみたけど」で書きましたが、45匹くらいを救出し永和の沼に放しました。

でもまだ100匹近くが、田んぼの真ん中で泥水の中で喘いでいました。

タモ網で掬おうと近づくと逃げて真ん中に集まってしまうのです。

その後1週間ほど経って出かけてみると、その田んぼのヘラブナの多くは死んでいました。

その死骸をカラスが啄んでいるところを見かけました。

また田んぼ脇の農道にヘラブナの死骸が何匹か落ちていました。

人が運んだものかカラスがそうしたのか分かりませんが、腐って目がないものもありました。

ヘラブナの救出中に魚の尻からピンク状の細かい粒が体についていました。

産卵した卵だと思われます。

田んぼの中でも産卵していたのでしょう。

この永和の田んぼに入り込んだヘラブナはほとんどが死に絶えました。

これ程の数と体長が大きいヘラブナが子孫を繋げずに死んでしまったのです。

私は動植物の写真や動画を撮るときに、基本的に自然のままにして手をかけないことを原則にしていますが、このヘラブナの状況のときは流石にそれができませんでした。なぜなんでしょう。

いつも思うのは、自然は種が残りさえすれば、個々の個体がどうなっても良いと考えているとしか思えないことです。

でも翌年の春になるとまたヘラブナを見かけます。

人間の一人ひとりの存在を尊重すべきだと学んできた私たちにとって、この野生に対する自然の過酷な試練の与えかたをどう理解したら良いのか迷っています。

(コイ目 コイ科 フナ属)

カモ撮りこうちゃん