コガモのエクリプスって何なの?

エクリプスのコガモ(10月)

生殖羽のコガモ

エクリプスから生殖羽に変身中のオス

カモの仲間はカルガモやオシドリのような留鳥や漂鳥以外は、シベリア大陸や樺太、カムチャッカ半島などからやってくると言われています。

その中でもコガモは5月中旬までいて、それから北帰行して、9月下旬から10月初旬には越冬のために戻ってきます。

日本に定住してしまえば良さそうなのに、なぜか危険な遠距離の旅を毎年しているのですね。

太陽高度や日照時間に応じて体内のホルモン分泌が変化して、移動したい気持ちが高まって移動していくのだろうと推測されます。

カモたちも植物の長日や短日植物と同じように、日照時間に左右されて行動していると思われます。

10月初旬に見かけるコガモは、オスのモダンな模様の生殖羽のものは見かけません。

みな同じメスのような地味なカモたちばかりです。

オスとメスの区別はほとんどつきません。

嘴の口元がオスは黒く、メスは黄橙かで判断しているようですが、幼鳥のオスにも黄橙色が見られるので分かりにくいのです。

コガモはオスとメスは区別ついていると思われますが。

11月を過ぎて1月頃までにはオスはモダンな模様の顔つきに変化してきます。

モダンな顔つきや羽の様子を生殖羽と言っています。

日本ではオスが生殖羽になった綺麗な姿のコガモを見ていることになります。

10月頃のコガモのオスとメスが分からないような状態から、生殖羽に変化していく際に羽が置き換わる途中では姿形が汚れた感じになります。

そんな状態のコガモを時々見かけることがあります。

オスがメスと同じ姿をしているのをエクリプスというようです。

「日本野鳥の会 埼玉」(報告者 大井智弘)には「繁殖を終えたカモ類のオスは8月から10月頃にはメスのように全体が地味な羽衣になる。オスはメスに選ばれる必要がなくなり、外敵から見つかりにくくなる。この時期の羽衣の状態を『エクリプス』という。」と記されています。

繁殖地でオスとメスが同じような羽衣だったものが、日本に来るとオスは綺麗な生殖羽になってメスを惹こうとするのですね。

この越冬の時期に番いになるメスを決めるのではないかと思われます。

私はこれまで生殖羽になる直前の様子のものをエクリプスだと考えていました。

間違いではないものの、繁殖を終えた数か月間の地味な状態のものを言っているようです。

こんなこともコガモを見かけていくうちに学ぶようになりました。

日光川ウォーターパークで見かけるミコアイサでも、生殖羽の綺麗なパンダになる前のオスがいるはずですが、メスとの区別がなかなかつきかねています。

メスだと思っていたものが、だんだんと日数が経つうちに、オスに変化していくものも過去に見かけました。

ミコアイサについてもいつか書きたいと思っています。

(カモ目 カモ科)

カモ撮りこうちゃん