ハグロトンボのオスはとまっているとき、なぜ翅を開閉するの?
翅を開閉するハグロトンボ
ハグロトンボのオス
ハグロトンボのメス
翅を開閉するミヤマカワトンボ
ミヤマカワトンボのメス
西尾張から木曽三川を越えた海津市周辺までが私の行動範囲です。
主に川沿いでの写真や動画を撮ることが多い気がしています。
木曽川東側ではほとんどハグロトンボを見かけなくなりました。
たまに見かけても1匹程度です。
生息できる自然環境が変化してきたからでしょう。
でも海津市のハリヨ公園付近や南濃町の早瀬の杉林ではまだハグロトンボが見られます。
ハリヨ公園付近の雑木林ではたくさんのハグロトンボが生息しています。
恐らくそばの津屋川で産卵し羽化していると思われます。
数年前にハリヨ公園の湧水池から津屋川に流れ出る小川の水草の上で、ハグロトンボのメスが埋め込み産卵をしていました。
夏には雑木林にいるハグロトンボが9月に入ると、その川面に出てきて、オスが縄張り争いをしています。
メスの産卵時期だからでしょうか。
オスは細い体で激しくやり合っていました。
そのせめぎ合いの飛翔スピードも速くなかなか写真には撮れません。
縄張り内でオスがとまっているとき、ときどき翅を開閉するのです。
多くのオスが同様にとまりながら開閉しています。
なぜ開閉するのか理由は分かりません。
きっと何か理由があるのではないかと疑問に思いました。
ハグロトンボが羽を閉じているときは線状で細く見えますが、翅を開閉すると体が大きく見えます。
大きく見せる必要があるとしたら、異なるオスに対して、ここは俺の縄張りだぞという意思表示(?)の可能性と、メスに対してはオスの俺がここにいるぞというサインになり得ます。
そんなことで翅を開閉しているのかも知れません。
桑名市の多度神社裏の多度峡の谷川には、ミヤマカワトンボが生息しています。
先日オスがメスに迫っている場面を動画に撮りました。
その中でオスはメスに翅を開閉して自分をアピール(ディスプレイ)していました。
それを何回も繰り返していました。
でもその開閉の仕方が半開きでハグロトンボで見かけたような大きな開閉ではありませんでした。
そしてメス近くまで行ったものの、交尾には至りませんでした。オスが飛び去った後、メスも翅を開閉しました。
それが印象的でした。
ミヤマカワトンボはメスへのアピールで翅を開閉するようなのです。
ハグロトンボもミヤマカワトンボも共にカワトンボ科のアオハダトンボ属です。
その点では兄弟といってもよいトンボです。
行動習性も似ている可能性が高いと思われます。
ハグロトンボのオスの翅の開閉が大きいのは、他のオスへの縄張り宣言のためのものと考えた方が良いかも知れません。
表情が出せないハグロトンボは羽の開閉や尻尾をまげて感情(?)を示そうとしているのかも知れませんね。
実際にハグロトンボのオスがメスに迫る場面をいつか見られたら良いなと心待ちにしています。
カモ撮りこうちゃん