黄色のネナシカズラ(?)は本当に根がないのかな?
木曽川土手で見かけたネナシカズラ?
クズに寄生したネナシカズラ?
ヤハズソウに寄生する
ヨモギ(アレチノヌスビトハギかも)に寄生する
木曽川の土手や叢で、植物の上に枯れ草が絡み合って被さっているような風景をよく見かけます。
近くで見ると黄色いツルで草に巻きついたり、草の上に紐状でたくさん被っているのです。
こんな光景を見たのは天童の山元沼のリンゴ畑脇の叢が初めてでした。
植物の茎に巻きついていて根があるように見えませんでした。とても不思議に思ったのです。
ギンリョウソウやヤドリギのような寄生植物があるので、この黄色いツル状の植物もそんな植物ではないかとそのとき思いました。
ツルが緑色でないので光合成していないようだからです。
ギンリョウソウは真っ白だし、ヤドリギは緑色でも薄い黄緑で、普通の植物のようには光合成はできないだろうと思われます。
「日本の野草」(林弥栄 山と渓谷社)にはヒルガオ科ネナシカズラ属として、マメダオシ、ネナシカズラとアメリカネナシカズラの3種類が載っています。今のところどれだか同定できていません。そこでネナシカズラの部分を見ると「日当たりのよい野や山の草や低木に巻きつく1年生の寄生植物。茎は太さ約1.5㍉で黄色を帯び、普通褐色の斑点がある。葉は小さなりん片となる。花は茎の途中に多数穂状に付き、鐘形で長さ3.5~4㍉となり、先は5裂する。蒴果は卵形で長さ約4㍉、先端に花柱が1個つき、はじめ花冠がかぶさっているが、やがて頭をだし、上部がふたのようにとれて少数の種子を散らす。花期8~10月 生育地 山野 分布 日本全土。」と記されています。
種子をまき散らしてから、種子が発芽して根を張るのではないかと考えていました。
「野草・雑草の事典530種」(金田初代 洋一郎 西東社)には「葉緑素をもたない寄生植物で、ヨモギ、クズ、ススキ、イタドリなどさまざまな植物に寄生します。地上に芽を出したときは根がありますが、他の植物に巻きつくと根がなくなり、つる性の茎から寄生根を出して養分や水を吸収して成長します。葉は退化してこまかな鱗片状になり小さな白い花が茎の途中に穂状にたくさんつきます。」と記されています。
発芽するときは根があり、芽が伸びて寄生し始めると根がなくなるというのは、寄生し始めると根を伸ばすホルモンがカットされる切り替えが起こるのでしょうね。
長日や短日植物の場合では、日長によって花を咲かせるホルモンの分泌量の増減が生じて花を咲かせたり咲かせなかったりする化学反応の変化によると読んだことがあります。
今回のネナシカズラの場合には、寄生して他植物の栄養を取りだすことが化学反応の切り替えの条件なのだろうと思われます。
とても不思議なことだと思ってしまいました。
(ヒルガオ科 ネナシカズラ属)
カモ撮りこうちゃん