シオカラトンボの暑さを避ける方法に感心してしまった
用水路の壁で暑さを避けるシオカラトンボ
用水路でせめぎ合うオス
暑さを避けるギンヤンマ
暑さを避けるシオカラトンボ
暑さを避けるコフキトンボとショウジョウトンボ
今年の夏は6月末に梅雨が明けて、猛烈な暑さが続いています。
一時は大雨や曇天の日もありましたが、これほどの暑さが続くと人間ばかりでなく昆虫にとっても過酷だと思われます。
トンボは変温動物で暑いと体温が上がるので、色々な機能が働かなくなる可能性があります。
そこでいろいろ工夫しながら暑さを避けているようです。
トンボの種類によって違いますが、ショウジョウトンボやコフキトンボはある程度の暑さだと、尻尾を上げて逆立ち状態になります。
ウチワヤンマやハッチョウトンボも同様です。
シオカラトンボやギンヤンマは飛翔しながら水面に体をぶつけたり水を飲んでいるような仕草をしています。
それで体温を下げているようです。
今年のように猛暑日(気温が35度を超える)が続くと、棒や茎の日陰側にとまって日光を避ける行動をします。
ギンヤンマは午後過ぎの時刻頃には、飛翔しないで葉陰にとまって避難しています。
オスもメスも同様です。
その時刻に土手や用水路を歩いていくと、叢から突然ギンヤンマが飛び立つのです。
暑さを避けてとまっていたからです。
先日飛島村服岡の狭い用水路の脇を歩いていたら、シオカラトンボが用水路を飛び交っていました。
他に書きましたが、今年はシオカラトンボが例年より多く発生しているようです。
用水路に縄張りを作って、四六時中他のオスとせめぎ合いをしながら、とまるときには用水路の壁にとまっていました。
今年の暑さの中でも用水路は日陰になっていて、水も流れているので、他の場所に比べると断然最適な避難場所です。
シオカラトンボも暑さを避けるために棒や茎の日陰側にとまることはありますが、この用水路の壁にとまるのは最高の避暑対策だといって良いでしょう。
ギンヤンマは壁にはとまらないで、用水路の上の叢の葉陰にとまっています。
近くにいるショウジョウトンボやコフキトンボも、シオカラトンボのように壁にはとまりません。
同じトンボなのに、とても不思議です。
シオカラトンボの用水路の壁にとまる行動を見て、賢いなぁと感心してしまいました。
トンボは形態など同じように見えても、それぞれのトンボの習性の違いがあることを暑さを避ける方法でも感じました。
トンボたちを作り出してきた「自然」は、いつもこうした習性の違いの効果を実験的に試しているのではないかと思ってしまいました。
(トンボ科 シオカラトンボ属)
カモ撮りこうちゃん