小さいときはウリといえばマクワウリだった
マクワウリ
マクワウリが生る
鶴岡(庄内)の紙袋の伝統野菜
蟹江に帰ってから地産市場でマクワウリをときどき見かけます。
今ではウリといえばマスクメロンが主流で、知人から千葉メロンや山形の庄内メロンなどをいただいています。
それは昔食べていたウリに比べて、瑞々しくて美味しいメロンです。
またハッチョウトンボを撮りに行った帰りに、田原市の道の駅「めっくんはうす」でもマスクメロンが売られていて、この地方の特産品になっています。
値段もピンからキリまであって、買ったメロンは甘くなく損したなと思ったこともありました。
そんなマスクメロンが全盛で、昔ながらのマクワウリはスーパーでもほとんど見かけません。
地産市場でこの黄色いマクワウリを今の季節だけ売られています。
野菜の流通経路には乗っておらず、農家も高齢者が多く、そんなことからマクワウリが地産市場で売られているのでしょう。
マクワウリは伝統野菜であり文化財だと思うのですが、廃れそうになっているのです。
山形県の鶴岡周辺では、その地方の昔からの伝統野菜が今でも作られています。
外内島キュウリ、鵜渡川原キュウリ、白山ダダチャ、民田ナス、萬吉ナス、湯田川孟宗、月山筍、小真木ダイコン、藤沢カブ、宝谷カブ、庄内カキ、友江フキ、カラトリイモ、早田ウリ、温海カブ、田川カブ、藤沢カブ、宝谷カブなどです。
鶴岡は昔は陸の孤島といわれて、歴史的に山形県内の他の地域とも交流は多くなかったようです。
そんな風土だからこそ伝統野菜が作られているのでしょう。
今でも焼き畑による温海カブの栽培が行われています。
最近になってこれらの伝統野菜を売り出そうとしています。
白山ダダチャなどは有名で、昔は地元でしか食べられませんでしたが、冷蔵技術の向上で全国に販売されるようになってきました。
先日飛島村服岡の金魚養殖池と用水路に挟まれた土手に、マクワウリが生っていました。
昨年も葉が茂っていたので、毎年ここに種を蒔いて育てているようです。
昨年はいくつかの白いウリに穴が空いていました。
多分タヌキの仕業でしょう。
せっかく作ったのにと思いましたが、今年も生っていていくつかは黄色くなっていました。
所有者はかなりの高齢者の女性です。
毎年作っているものを今年も作っている感じに見えました。
一見すると頑固にも見える栽培をし続けることが、伝統野菜を保存し続けることに貢献していると思われます。
世の中は全て効率的で採算が合うかどうかで図られているようですが、本当にそれで良いのか考えてみる必要がありそうです。
一度消滅してしまうと、文化財であるこれらの野菜の復活はできないからです。
何百年に亘る伝統野菜の存在意義をもう一度考え直してみる必要があるのではと考えてしまいました。
(ウリ科 キュウリ属)
カモ撮りこうちゃん