ウスバキトンボの行動をどう理解したら良いのか?
ウスバキトンボ
土手の路上を飛び交うウスバキトンボ
用水路の縄張りを巡回飛翔する
用水路脇でちょっと休憩
8月初旬に日光川の日光大橋近くの土手の道路と土手の間でたくさんのウスバキトンボを見かけました。
道路上から土手の上に、また逆に土手から道路にと移動しています。
幼い頃から道路の上を何匹ものウスバキトンボが飛んでいるのを覚えています。
ウスバキトンボと暑い夏の季節が対連合しています。
その後歩いていくと鍋蓋新田の用水路で、縄張りの巡回飛行しているウスバキトンボを見かけました。
同じ範囲をホバリングしながら何回も巡回飛行しています。
しばらくすると近くの枯れた茎にとまって休憩していました。
同じウスバキトンボなのに、道路上を飛び交う場合もあるし、縄張りを巡回飛行している場合もあります。
どうしてこんな行動の違いがあるのでしょう。
とても不思議です。
コシアキトンボでも同じような行動が見られます。
樹間の上を何匹も行き交う場面もあるし、水面で縄張りを作ってメスを待ち受けるオスもいます。
上空を飛び交うコシアキトンボの場合には、腰が黄色いことから未成熟の成虫だと思われます。
今回の道路上を行き交うウスバキトンボたちは、コシアキトンボの例から類推すると、未成熟個体の集まりではないかと思われます。
用水路で縄張りを決めて巡回飛行しているウスバキトンボは成熟個体ではないかと思われます。
ウスバキトンボでも成熟の程度に従って行動が変わっていくのではないかと思われるのです。
ウスバキトンボを名古屋周辺で見かけるのは、例年7月末から8月初旬からが多いようです。
理由はこのトンボが南方系のトンボであることと関わりがありそうです。
ウィキペディアには「ウスバキトンボのメスの成虫の蔵卵数約29000は、ほぼ同体長のノシメトンボの蔵卵数約8800の三倍以上である。~中略~ 産卵数の多さが日本における数か月での個体数急増を可能にすると考えられている。卵は数日のうちに孵化し、薄い殻をかぶった前幼虫はすぐに最初の脱皮をして幼虫となる。幼虫はミジンコやボウフラなどの小動物を捕食して急速に成長し、早ければ一か月ほどで羽化する。ウスバキトンボは寒さに弱く、幼虫は水温四度Cで死滅するといわれる。毎年日本で発生する個体群は、まず東南アジア・中国大陸から南日本にかけて発生し、数回の世代交代を繰り返しながら、季節の移ろいとともに日本を北上してゆくものである。」と記されています。
だから名古屋周辺では8月初旬に見られるのですね。
北海道では9月末になるのではないかと思われます。
産卵と羽化を繰り返しながら北上していくようなのです。
そんな事を聞いても私自身はなかなか信じられない気分でいます。
本当なのかどうかウスバキトンボに聞いてみたくなってしまいました。
(トンボ科 ウスバキトンボ属)
カモ撮りこうちゃん