久し振りにチョウトンボを見かけたけど
1昨年の夏、愛西市福原輪中の人工湿地だったところを長良川の浚渫した土砂で埋め立ててしまいました。
私が見かけるようになったのはその2年前からでした。
その湿地にはチョウトンボ、ショウジョウトンボ、コフキトンボなど希少種のトンボがいたのです。
特にチョウトンボは、恐らく愛知県内で最大の生息地だと思われました。
人生でこれほどのチョウトンボを見たのは初めてで、100匹以上いたのではないかと思われます。
工事関係者に「ここは希少種のトンボが生息しているのです。それでも埋め立てるのですか。」と尋ねると、「隣に湿地があるからいいんじゃないですか。」と応えました。
隣の湿地は人工湿地の水を抜くために排水機の水が大量に流れ込んで、トンボの産卵どころでなくなっていました。
久し振りにその人工湿地がどうなっているか確認するために出かけました。
またまた長良川の浚渫土砂が大量に積み上げられていました。
埋め立てた湿地の雨水を排水しているのです。
最初の同じ企業が委託されているようです。
前回の浚渫工事はインターネットで調べたら数億円規模でしたが、今度もそれくらいなのでしょうか。
それ以来チョウトンボもショウジョウトンボも全く見かけなくなりました。
絶滅してしまったのでしょう。
湿地の一部でも土砂を埋め立てなければ、これらのトンボも生き延びられたと思うのですが、そうした配慮が全くないのです。
蟹江周辺でチョウトンボをたまに見かけることがあります。
永和の叢の上を何度もヒラヒラ飛んでいました。
どこから来たのか分かりません。
チョウトンボのオスは移動性が高いと言われているので、数日経つとどこかに行ってしまいました。
先日は日光川土手のアカメガシワの樹上を飛んでいました。
飛びながら縄張り内をヒラヒラ飛んでいるように見えました。
どこかで羽化したチョウトンボが来ているようです。
数日前には飛島村三福の金魚養殖の放置してあった池に、チョウトンボのオスが1匹飛んだり植物の枯れた茎の天辺にとまっていました。
翅が風でヒラヒラと動くのが印象的でした。
観察していたら2日ほどそこにいましたが、3日目には見かけなくなりました。
この池はチョウトンボが住むには絶好の場所だと思うのですが、交尾し産卵する相手のメスがいないのです。
またメスを求めて移動していったのではないかと思われます。
チョウトンボのオスが、現在の自然環境でオスとメスが巡り合う確率はごく少ないのではないかと思われます。
人間の目先の利害だけで自然環境を破壊する行為を何とかしないと、結果的には人間にしっぺ返しされると思うのですが、どんなものでしょうか。
地球は人間だけのものでないのにと考えてしまいました。
(トンボ科 チョウトンボ属)
カモ撮りこうちゃん