今年はシオカラトンボの発生が多いように感じる
永和の雑木林周辺を歩くと、林縁や田んぼの縁でシオカラトンボをたくさん見かけます。
今年は6月末に梅雨明け宣言があって、その後は1週間位猛暑が続きました。
真夏が来たと錯覚するほどでした。
そんな暑さの中でセミは鳴いていませんでした。
猛暑とセミの鳴き声が対連合されているのですが、鳴いていなかったのです。
とても変な気持ちになりました。
7月下旬になって30度を超える暑さの中でニイニイゼミ、アブラゼミやクマゼミが鳴き出し夏らしさを感じるようになりました。
今年はそんな夏の経過なのですが、梅雨明けの頃から田んぼの縁や雑木林の林縁、その下の叢で7月下旬になってこれまで見かけなかったほどの数を見かけるようになりました。
永和の雑木林周辺だけの可能性はありますが、これほど多くのシオカラトンボを見かけたのは初めてです。
「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎 二橋亮 文一総合出版)のシオカラトンボには「生活史は卵期間5~10日程度、幼虫期間2~8か月程度(1年多世代)。幼虫で越冬する。」と記されています。
これから考えると、去年産卵し育った幼虫が羽化して成虫になったと思われます。
シオカラトンボは小さいときから馴染んできたトンボです。
メスをムギワラトンボ、オスをシオカラトンボといっていました。
交尾態になるのを知っていて同種だと認識していたものの、別の名前だと思っていたのです。
青年期になって、やっとムギワラトンボがシオカラトンボのメスだと知りました。
もともとシオカラトンボは数が多く、他のトンボに比べて身近に見られるトンボで、人間に一番近いトンボといえるかも知れません。
自然環境が破壊されるとトンボ類が少なくなるのを経験していますが、シオカラトンボはこうした環境にも子孫を繋げられる生命力があるようなのです。
7月下旬には土手や林縁や叢でシオカラトンボのオスとメスがたくさん飛んだりとまったりしています。
混在しながら生息しているのです。
未成熟の状態だからと思われ、この時期に交尾態なっているのを余り見かけません。
今年なぜこれほどの数のシオカラトンボを見かけるのか、その理由は分かっていませんが、自然環境が悪くなっている中でも、幼虫が育つ環境が確保されていたのでしょうか。
今のところこの成虫の多さはどうしてなのか、謎のままです。
(トンボ目 シオカラトンボ属)
カモ撮りこうちゃん