昔は見かけなかったナガサキアゲハだけど
小さい頃にはクロアゲハをよく見かけました。
それがある時期を境にしてジャコウアゲハに切り替わって、クロアゲハを余り見かけなくなった印象があります。
何故なのか今でもその原因や理由は分かりません。
黒いアゲハの仲間はナミアゲハのように頻繁には見かけません。
偶然に出会うのがほとんどです。
でも幼虫の食草が分かってくると、食草のあるところに出かけると出会う頻度が増してきます。
アゲハの仲間はサンショウ、カラタチ、ミカンなどミカン科が食草のものが多いので、そこに行くと出会えるチャンスが当然多くなります。
アゲハの仲間ではセリ、ミツバやパセリなどのセリ科が食草のキアゲハと、ウマノスズクサやオオバウマノスズクサなどのウマノスズクサ科のジャコウアゲハが例外といえるかも知れません。
蟹江に帰ってから、これまで見かけたことがない黒いアゲハに出会いました。
ところがこのアゲハは後翅の尾状突起がないのです。
他のアゲハの多くは尾状突起がある(アオスジアゲハは例外)のに、この黒いアゲハにはそれがないのです。
とても驚きました。
善田川の永和小学校近くの民家の畑に、ナツミカンやキンカンが何本も植えてあります。
そこに飛んで来たのはこの黒いアゲハです。
調べるとナガサキアゲハでした。
このナガサキアゲハが2羽で絡み合っているのを何度か見かけました。
オスがメスを追いかけているようでした。
昔見かけなかったナガサキアゲハが、蟹江周辺で見られるようになったのは温暖化の影響かもしれませんね。
また「ナガサキ」という名前からして南方系のチョウだと推測されます。
「日本のチョウ」(日本のチョウ類保全協会編 誠文堂新光社)のナガサキアゲハには「成虫になるのは年3回ほどで5月下旬、7月、8月から10月初旬までになっています。」
産卵から成虫までに1か月くらいなのでしょうか。
「食草はナツミカン、ユズ、カラタチ、キンカンなどの栽培ミカン類(ミカン科)。生育環境は平地~丘陵地のミカン類の植栽・栽培地。主に食草の多い、農地や人家周辺に発生する。行動は日中、食草の付近を中心に、やや高所を緩やかに飛翔し、クサギ、ハイビスカスなどの各種の花を訪れる。オスはチョウ道を作るが、吸水行動はほとんど見られない。生育状況・保全はかつての分布は九州や四国南部までであったが、食草栽培の普及や温暖化に伴い北上し、現在では東京近郊でも普通に見られる。」と記されています。
宝川の土手下のオニユリが咲いている用水路付近を、オスがメスを絡み合いながら追いかけていました。
翌日に同じ場所に行くと、オスがオニユリの咲く付近を飛んでいきました。
チョウ道の一部になっているようでした。
(アゲハチョウ科 アゲハチョウ属)
カモ撮りこうちゃん