イラクサは固有名なのか総称なのか分からないままでいる!

小さい頃からイラクサだと思われる植物は知っていました。

その生えている中に入るとチクチクとしたものです。

それがイラクサだと思い込んでいました。

「日本の野草」(林弥栄編 山と渓谷社)ではイラクサという単独の植物はなく、ミヤマイラクサのようなイラクサという名前がついたものはあります。

ミヤマイラクサは標高の高い所に生えているようだし、身の回りで見かけるイラクサの仲間はどんな名前なのか、今のところ五里霧中の状態です。

海津市森下で撮った動画では「イラクサの仲間」としてタイトルをつけましたが、納得できていません。

「エバーグリーン」では「イラクサ」として「イラクサ科イラクサ属。山地の林内や林縁の湿った場所でみられる高さ40~80㎝の多年草。全体にもろくて鋭い針毛が生え、触れると激痛を感じることで有名です。茎は叢生し、円柱状で下向きの毛が蜜に生えます。葉は対生する単葉で、長さ5~15㎝、幅4~10㎝の卵形で先が尾状にとがります。葉の表面にはまばらに毛が生え、裏面の脈上には短毛がはえます。~中略~ 花には雄花と雌花があります。葉腋から穂状花序を出し、茎の上方には雌花序、下方には雄花序がつきます。雄花・雌花とも小さく、淡い緑色の4弁花です。果実は長さ1㎜ほどの扁平な痩果です。全草を蕁麻(ジンマ)と呼び局所刺激など、薬用として用います。」と記されていて、ここでは単独の植物名としての書き方になっています。

トゲの痛みについてウィキペディアでは「イラクサの茎や葉の表面には毛のようなトゲがある。そのトゲの基部にはアセチルコリンとヒスタミンを含んだ液体の嚢があり、トゲに触れその嚢が破れて皮膚につくと強い痛みがある。死亡することはないが、蕁麻疹を発症することがある。」と機能的な仕組みについても記されています。

イラクサについては面白い話題があります。

「奈良公園では、シカによる食害を防ぐために自身が『毒をもつトゲ』を多く持つように進化した、との研究結果を奈良女子大学加藤禎孝らのグループがまとめた。グループは、県南部などのイラクサに比べ50倍以上も棘が多く、この特徴が種子にも受け継がれていることを確認。実際、公園内のイラクサ、県南部のイラクサでシカに食べられやすいのはどちらか、という実験を行ったところ、県南部のものは全て食べられたが、公園内のイラクサは60%以上残ったという。これについて教授は『1200年という長い間に、シカに対する防御機構が進化したのだろうと』と話している。」と記されています。

BBCで放映されたドキュメンタリーでは、アメリカインディアンは長い行軍をするとき、足にイラクサの葉のトゲを打ちつけて、マヒして痛みを感じさせなくして歩き続けるという内容が放映されていました。

全てのものには長短があることを、ここでも示していますね。

(イラクサ科 イラクサ属)

カモ撮りこうちゃん