声はすれども姿は見えずのウグイスにはまいってしまう

蟹江周辺では3月を過ぎると、日光川などのヨシ原でウグイスの鳴き声を聴くことがあります。

でも写真をまったく撮れていません。

鳴き声がブッシュやヨシ原の中からなので、ヨシの先端に上がって来るオオヨシキリとそこが違います。

しかも鳴く場所も少しずつ移動していくので、それもとらえにくい原因です。

ウグイスの写真を撮ったのは仙台の知人宅の庭です。

庭に餌台が3つあってスズメ、カラス、ヤマバト、ヒヨドリ、ツグミ、シメ、シジュウカラ、カワラヒワ、ムクドリ、アオジ、メジロなどに混じってウグイスがいました。

そんな餌台にいる写真しか撮れませんでした。

フェイスブックの鳥見サークルでウグイスの写真を見ると、よく撮れたものだと感心してしまいます。

餌台に来る季節には竹藪の中で「チッチッ」と鳴いているのが聞こえます。

「ホーホケキョ」とは鳴かないで「チッチッ」と鳴くのを「笹鳴き」と呼んでいます。

「ホーホケキョ」と鳴くのは、他のオスに対する縄張り宣言やメスに対するアピールなので、笹鳴きは繁殖期になっていない証拠です。

昔ある本でウグイスの「ホーホケキョ」と鳴く鳴き方には方言があると読んだことがありました。

「ホーホケキョ」の鳴き方は、ウグイス本来の鳴き方が生理的・固定的に決まっている訳ではなく、環境による学習も関係しているということです。

先輩のウグイスの鳴き方(環境)を聞き真似しながら、少しずつ学習して上手になっていくらしいのです。

カモなどの水禽(すいきん)類の刷り込み学習と同じですね。

春先に知人宅の敷地内で、2羽のウグイスが頻繁に鳴き合っていたことがあります。

縄張りを主張して争っている風情でしたが、その後は1羽の鳴き声だけになってしまいました。

縄張り争いが決着したのではないかと推論しました。

ウグイスはホトトギスの仲間に托卵されることがあります。

托卵するホトトギスの仲間にはカッコウ、ホトトギス、ツツドリ、ジュウイチがいますが、ウグイスに托卵するのはほとんどホトトギスです。

ウグイスの卵はチョコレート色で、ホトトギスの卵も同じ色でウグイスより少し大きい程度だということです。

ホトトギスはヒヨドリくらいの大きさなのに、ウグイスはスズメくらいです。

ウグイスの卵は1.5グラム、ホトトギスは3グラムくらいです。

因みにヒヨドリの卵は六グラムくらいなので、ホトトギスは托卵するウグイスの卵の大きさに合わせて、体より小さい卵を産んでいるのです。

ホトトギスはウグイスに托卵するように卵をチョコレート色にし、小さくするように進化してきたようです。

共進化ですね。

他の野鳥に托卵すると卵ははじかれる可能性があるかもしれません。

でも自然ってすごいなぁと思ってしまいました。

(スズメ目 ウグイス科)

カモ撮りこうちゃん