オグロシギの羽繕いもタカブシギと同じだった
今年も飛島村で1日だけオグロシギの6羽の群れを見かけました。
この日は午後から強い雨が降り続いていました。
車の中から写真や動画を撮りましたが、カメラのレンズが雨に濡れてしまう程の風も吹いていました。
並んで歩きながら懸命に嘴を田んぼの泥に突っ込んで餌を探しているオグロシギの群れも、一段落するとそのうちの1羽が首を羽に突っ込んで休憩し始めました。
他の数羽は羽繕いを始めました。
脚で首のあたりを掻いたり、長い嘴を羽に突っ込んで調整していました。
ところが羽繕いしながら時々嘴を水面につけて、また羽繕いしているのです。
雨が降る中で羽も湿っているはずで、嘴に水を含ませなくても羽繕いできると思われるのに、羽繕いの途中でときどき嘴を水面につけるのです。
2022.4.27付けのblogで書いたタカブシギの羽繕いの行動と同じだったので笑ってしまいました。
確かに羽繕いするときには水分があった方が調整しやすいと思われますが、この雨が降り続いている時には必要ないと思うのです。
嘴を水につけてしまうのは羽繕いの一連の行動がルーチン化されているからではないかと思われます。
鳥たちの行動を見るととても賢く生きているように思われます。
でも実はそうではない例も知っているので、用心してしまうのです。
昔NHKで放映された日本動物記「カッコウ」で、托卵されたオナガが産卵されたカッコウのヒナを育てたり、巣のすぐ脇に押しやられたオナガの卵を、巣に戻すことをしないままでいるのを視ました。
刺激―反応の連鎖という行動系列から外れてしまうと、その場に応じた適切な行動ができなくなることを学びました。
普段はとても適応的な行動のように見えるのですが、どうも人間の適応力とは違っているようなのです。
水浴びして羽繕いするのはどの鳥も行いますが、途中で嘴を水につける鳥は今のところ、観察していてこの2種類だけです。
他にもきっといると思います。
水辺で水浴びしていたコチドリやイソシギでは今のところこうした行動は見かけていません。
こんな面白い習性のタカブシギやオグロシギの行動をみると、姿形の造形美だけでなく、行動そのものの造形美(習性)も感じてしまいました。
(チドリ目 シギ科)
カモ撮りこうちゃん