セイタカシギは夏鳥か冬鳥か留鳥なのかさっぱり分からない

数年前の春に飛島村渚の田植えしたばかりの田んぼで、2羽のセイタカシギを見かけました。

脚がピンクで細長く人形か操り人形の脚のように見えました。

生きているとは思えないほどの華奢な体つきでした。

そのセイタカシギを3年続けてこの付近の田んぼで見かけています。

数日間見かけると、その後いなくなります。

多分北に行く途中なのだろうと思っていました。

多くのシギの仲間はユーラシア大陸が故郷で、繁殖のために南の越冬地から北に帰る途中に寄っていくのです。

セイタカシギもこうしたシギの仲間だと思っていたのです。

ところが参加しているフェイスブックの「鳥見サークル」で冬にセイタカシギの写真を投稿している人がいました。

確か関東地方の人だったと思います。

この時期にセイタカシギが見られる筈はないと思ったのです。

南から北に向かう春や南下する秋に日本に寄るはずなのに、なぜこんな時期にセイタカシギが関東地方で見られるのか、とても不思議だったのです。

「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と渓谷社)には(私の読み取りですが)「分布図でオーストラリアなどで周年生活しており、夏に北日本や樺太あたりまで来ている。また一年中留鳥のように見られる。」と記されています。

他のシギの仲間のようにユーラシア大陸が繁殖地ではなさそうです。

「シギ・チドリ類ハンドブック」(氏原巨雄 道昭 文一総合出版)には「旅鳥または冬鳥。干潟、湿地、池沼、水田、蓮田など。東京湾岸や愛知県では一部繁殖し周年見られる。特徴はピンク色の著しい長い足。白い体と黒い翼。嘴は細く尖り、まっすぐかわずかに上に反る。頭の色模様は変化が多い。飛ぶと腰の白は背まで深く食い込んでいる。夏羽の雄は上面が緑光沢のある黒、雌は褐色がかる。」と示されています。

これらの記述を見ると、セイタカシギは夏鳥なのか、冬鳥なのかそれとも留鳥なのかさっぱり分かりません。

今年は4月下旬に1羽だけ見かけています。

多分オスのようです。

例年では数日経つといなくなります。

北に移動していくのか、この辺りで周年生活しているのか、今のところは分からないでいます。

(チドリ目 セイタカシギ科)

カモ撮りこうちゃん