こちらでもオドリコソウが咲いているのを見て驚いた
私たちの周りにはシソ科のヒメオドリコソウがそこかしこに咲いています。
東北でも蟹江周辺でも見られる野草です。
雑草という感覚さえしています。
ヒメオドリコソウはヨーロッパ原産で明治時代の中期に日本に入ってきました。
それに対してオドリコソウはずーっと見たことがありませんでした。
後年になって、春に天童周辺で土手や叢で見かけるようになりました。
印象はホウセンカの花のような感じです。
オドリコソウは東アジアの温帯に分布し、日本にはもともとあったもののようです。
ヒメオドリコソウの繁殖力が圧倒的に強いので、従来からあるオドリコソウを見たことがない人がほとんどではないかと思います。
このオドリコソウはシソ科の仲間で茎の葉のつき方は対生で、葉の上に花がいくつもついて咲くので、花の塊が何段にもなって咲きます。
これはニホンハッカでも同じです。
ヒメオドリコソウは茎から葉が出る間隔が短いので、オドリコソウほどそうした感じはしないようです。
「エバーグリン植物図鑑」には「道端や林縁、草原、やや湿った落葉樹林内などに群生する高さ30~50㎝の多年草。地下に匍匐枝を伸ばして広がります。茎は直立して、断面は四角形で、節に長い毛がはえます。葉は対生する単葉で、長さ4~10㎝、幅が3~6㎝になる卵形で粗い鋸歯があります。葉の表面と裏面脈上には毛がはえます。長さ1~6㎝の葉柄があります。花は長さ2.5~3.5㎝の唇形花で、上唇はかぶと状になり、縁には毛がはえます。~中略~ 果実は分果です。」と記されています。
蟹江に帰ってから5年程経ちますが、オドリコソウは見たことがありませんでした。
私は東北にだけ咲いているものと思い込んでいたのです。
新コロナ禍の中で蔓延防止条例で県を跨いでの通行は制限されていました。
何か月も木曽三川を越えて海津市のハリヨ公園には出かけていなかったのです。
解除後、冬鳥もいなくなって撮る対象は何もないだろうと思いながら出かけました。
ハリヨ公園内の端を歩いていると、遠くにハルジオンかと思う白い花が咲いていました。
何か様子が違います。
そこに行こうと戻って坂道を下ったら、その脇の叢にオドリコソウが群生して咲いていたのです。
驚きました。
東海地方の岐阜県にオドリコソウが咲いているなんて思ってもいなかったからです。
いつか春の東北に出かけて、もう一度オドリコソウの花の写真を撮りたいと思っていたくらいです。
それが何と海津市のハリヨ公園に生えていたのです。
色々な資料を見ると北海道、本州、四国、九州に分布すると書かれています。
やっぱりこの辺りにも生えていたんだなぁと、とても嬉しく感じてしまいました。
(シソ科 オドリコソウ属)
カモ撮りこうちゃん